2019就活生のための
飲食業界研究+新卒求人情報

2019就活生のための
飲食業界研究+新卒求人情報

  • 生産者伝達人1
  • 生産者伝達人2
  • 生産者伝達人3

生産物の「ゴール」を提案する事で、
生産者の問題を解決していく仕事

 神奈川県三浦半島は海産物・農産物の一大生産地だ。それに反し、数年前までは食品加工・研究施設などの環境はまったくと言っていいほど整っていなかった。大きな消費地に隣接するにも関わらず、販売網が極端に細かったのだ。特に漁業では、市場で売れる種類以外の魚はそのほとんどを廃棄処分せざるを得ないのが実情であり、さらには燃料費の高騰や魚介類の市場価格低迷も、漁師の収益を圧迫させる要因となっていた。

 そのさなか「たのし屋本舗」代表、下澤 敏也氏は、廃棄処分になる魚を格安で譲り受け、持ち帰って調理を試みる。そして、美味しく食べられる魚がたくさんあるということに気づいた。それまで破棄されていた魚がこんなにも価値があり、商品として成立することを、地元の漁師たちに伝えていき、その結果10倍の価格になった魚もあったという。そうした取り組みを続け、いつしか漁師たちとの距離は少しずつ縮まり、交流と絆を深めながら地元生産者との関係を築いていった。

 その後、下澤氏は入札権を入手。厳選した美味しい魚を出すことで店の評判は急上昇。予約の絶えない本店を拡大し、店舗を増やすこともできた。

 並行して、地域経済を活性化するさまざまなプロジェクトを立ち上げ、国の補助事業である「ものづくり補助金」制度にも挑戦。2014年に国内の飲食業では初めて採択が下り、横浜市に加工および研究施設を設置。その施設を「Co-lab(コミュニケーションラボラトリー:コラボ)」と名づけた。生産者は作ることに精一杯となってしまう為、作ったあとの生産物までカバーしきれないことが多い。Co-labの目的は、商品化。『ゴール』を生産者や飲食店などが一緒に考え、アイデアを出し合い、三浦半島の『食』をカタチにしていくことだと下澤氏は語る。

 人と人とのつながりが、新たな未来を生む。「たのし屋本舗」はこれからも地元生産者の仲間とともに、三浦半島を盛り上げていくだろう。

OUR PROJECT.
猿島わかめ再生プロジェクト

OUR PROJECT.

横須賀沖に浮かぶ無人島猿島周辺海域では、50年ほど前から「猿島わかめ」の養殖が行われている。成長すると5メートルにもなるこのわかめは、味と香りがよく、昭和天皇へ献上されたこともある名品だ。しかし近年、漁獲量の減少や後継者不足が深刻化していた。そこで下澤氏は、わかめが60センチメートルほどに成長したところで摘み取って販売することを提案。いわば“わかめのベビーリーフ”である「さるひめ」はその美味しさから評判となり、日本全国から注文が入るヒット商品となった。

NEW PROJECT.
クラフトビア製造プロジェクト

NEW PROJECT.

「ものづくり補助金」のバックアップを得てスタートした「Co-lab」。2016年10月にはクラフトビール工場併設の「ビアレストラン」を横須賀・汐入にオープンさせる。この施設は、「食と街をむすぶリアル・コミュニティづくり」を目的としている。「生産者と飲食店がビールを作って提供することで、お客様とつながることができます。大人たちがビールでつながり、笑顔になる。すると子供も、笑顔になる。そんなコミュニティを作りたいんです」と下澤氏。

OUR PASSION.
「地元愛」が活動の原動力

OUR PASSION.

三浦半島の一次産業の問題点と向き合い、農家・漁師と飲食店をつなぎ、生産者との絆を深めながら地元の活性化に尽力。漁師や農家には、どのように販売するかという「ゴール」を提案することで、やる気を刺激し、飲食店はその生産物を使った美味しい料理を提供する。今では市役所や商工会議所も協力、横須賀を一丸となってもりあげながら、さまざまなプロジェクトを進行させている。

AND MORE.
三浦半島の恵み

AND MORE.

三崎産のシコイワシで作ったアンチョビと、三浦半島産の玉ねぎを原材料に作られるドレッシング「しもどれ」。「野菜がいくらでも食べられる」「ハマる!」と大好評。「Co-lab」では、未利用の魚や規格外の野菜などを加工し、「しもどれ」のほかにも、新たな三浦半島の名物品を作っている。

取材協力

有限会社 たのし屋本舗

住所/〒237-0064 神奈川県横須賀市追浜町3-38

電話/046-865-6641

H P/http://www.uretano.co.jp/

TEXT by Yukari Seo

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