独学で調理師試験を受けるには、一定の実務経験が必要です。ただし、どんな職場でも認められるわけではなく、勤務先や仕事内容によっては受験資格を満たせない場合があります。
この記事では、独学で調理師免許を取得するための実務経験の条件や対象となる施設、認められない業務まで、わかりやすく解説します。
「働いていたのに実務経験として認められなかった」という失敗を防ぐためにも、調理師免許の取得を目指している方はぜひ参考にしてください。
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調理師免許の取得は実務経験が必要な人と不要な人がいる

調理師免許を取得する方法は、大きく分けて2つあります。調理師養成施設を卒業する方法と、調理師試験に合格する方法です。
どちらのルートを選ぶかによって、実務経験が必要かどうかが変わります。
- 調理師養成施設(専門学校など)を卒業する:実務経験は不要
- 調理師試験を受ける:受験資格として実務経験が必要
それぞれの違いを見ていきましょう。
養成施設を卒業すれば実務経験は不要
厚生労働大臣が指定する調理師養成施設(専門学校など)を卒業すると、調理師試験を受けることなく、調理師免許を申請できます。実務経験も必要ありません。
学校では調理技術だけでなく、栄養学や食品衛生、公衆衛生など、調理師として必要な知識を体系的に学べます。
修業年限は学校によって異なりますが、最短1年で卒業できるコースもあります。
一方で、学費がかかるため、働きながら調理師試験の合格を目指す人も少なくありません。

独学で受験するなら実務経験が必要
調理師養成施設を卒業せずに調理師免許を取得する場合は、調理師試験の受験資格として、一定の実務経験が必要です。
実務経験として認められるのは、飲食店だけではありません。学校や病院などの給食施設など、法律で定められた施設で調理業務に従事した経験も対象になります。
このルートは、学費を抑えながら働いて収入を得られることがメリットです。
ただし、実務経験の条件を満たしていなければ受験できません。

調理師免許の実務経験に必要な条件

独学で調理師試験を受けるには、実務経験に関する一定の条件を満たす必要があります。
主な条件は次の3つです。
- 2年以上の実務経験があること
- 一定の日数・時間以上勤務していること
- 対象となる施設で調理業務に従事していること
なお、実務経験の認定基準は都道府県によって細かな運用が異なる場合があります。
受験前に、受験予定の都道府県や調理技術技能センターの案内を確認しておきましょう。
2年以上の実務経験があること
調理師試験を受けるには、原則として2年以上の実務経験が必要です。
この期間は、受験を申し込む時点で満たしている必要があります。
また、複数の職場で積んだ実務経験を合算できる場合もあるので、後ほど解説します。
週4日以上・1日6時間以上勤務していること
実務経験として認められる勤務時間の目安は、原則として週4日以上、1日6時間以上(休憩時間を除く実働時間)です。
例えば、週3日勤務や1日5時間勤務が中心の場合は、原則として実務経験に認められません。
なお、都道府県によっては「週5日以上かつ1日5時間以上」など、基準が異なる場合があります。受験する地域の案内を事前に確認しておくと安心です。
対象施設で調理業務に従事していること
実務経験として認められるのは、法律で定められた対象施設で、実際に調理業務に従事した場合です。
雇用形態は問われないため、正社員だけでなく、アルバイトやパートでも条件を満たせば実務経験として認められます。
一方で、対象施設で働いていても、接客やレジ、配達、皿洗いなど調理以外の業務のみを担当している場合は、実務経験として認められません。
調理師免許の実務経験はどこで積める?対象となる施設

調理師試験の受験資格として認められる実務経験は、対象となる施設で調理業務に従事していることが条件です。
「飲食業界で働いていればどこでも認められる」というわけではなく、勤務先の営業形態や仕事内容によって対象かどうかが決まります。
ここでは、代表的な施設を紹介します。
飲食店
レストランや食堂、居酒屋、ホテル・旅館のレストランなど、料理を提供する飲食店は、実務経験を積む場所としてもっとも一般的です。
飲食店営業の許可を受けた施設で、食材の仕込みや調理、盛り付けなどの調理業務を担当していれば、実務経験として認められます。
旅館や簡易宿泊所の調理場も対象です。初めて実務経験を積むなら、飲食店で調理スタッフとして働くケースが多いでしょう。
チェーン店・ファストフード店
ファミリーレストランや牛丼チェーン、マクドナルドなどのハンバーガーショップなどのチェーン店でも、条件を満たせば実務経験として認められます。
大切なのは、個人店かチェーン店かではなく、飲食店営業の許可を受けた施設で、実際に調理業務を担当していることです。
例えば、ハンバーガーやフライドポテトなどの調理を担当している場合は対象になる可能性があります。しかし、レジや接客だけを担当している場合は実務経験には含まれません。
不安な場合は、勤務先や受験予定の都道府県へ確認しておくと安心です。
学校・病院などの給食施設
学校や病院、保育園、社員食堂、寮などの給食施設で調理を担当した場合も、実務経験として認められます。
こうした職場では一度に多くの食事を作るため、大量調理や衛生管理の知識・技術を身につけられることが特徴です。
ただし、対象となるのは継続して1回20食以上、または1日50食以上を提供する施設です。小規模な施設では対象外になる場合があるため、事前に確認しておきましょう。
スーパー・鮮魚店
スーパーの鮮魚売り場や鮮魚店での仕事も、調理業務を担当していれば実務経験になります。
例えば、魚をさばいたり、刺身用に切り分けたりする仕事は調理業務にあたります。商品を陳列したり、パック詰めされた商品を販売したりするだけでは、実務経験として認められません。
同じ職場でも、担当する業務によって扱いが異なる点に注意しましょう。
お惣菜製造施設(そうざい製造業)
スーパーのお惣菜コーナーや、お弁当・お惣菜を製造する工場・店舗なども対象です。
煮物や揚げ物、焼き物、蒸し物などの調理を行うほか、お弁当や総菜を大量に製造する仕事が含まれます。
毎日さまざまな料理を仕込むため、調理の基礎から実践的な技術まで身につけやすい職場です。
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調理師免許の実務経験として認められないケース

飲食業界で働いていても、勤務先の施設や担当する業務によっては、実務経験として認められないことがあります。
「2年間働いたのに受験資格がなかった」とならないよう、事前に確認しておきましょう。
対象外の施設で働く場合
実務経験として認められるのは、受験資格で定められた対象施設で調理業務に従事した場合です。
そのため、菓子製造業やパン製造業のみの施設など、対象外の施設で働いている場合は、調理をしていても実務経験として認められません。
また、カフェで働く場合も、店舗の営業形態や許可の種類によって扱いが異なることがあります。
実務経験として認められるか不安な場合は、勤務先や受験予定の都道府県へ確認しておくと安心です。
調理以外の業務を担当している場合
対象となる施設で働いていても、調理以外の業務だけを担当している場合は実務経験になりません。
例えば、次のような業務は対象外です。
- ホールでの接客・会計
- 皿洗いや洗い場のみの業務
- 料理の配達や運搬
- レジや品出しなどの販売業務
一方で、食材の仕込みや加熱調理、盛り付けなど、実際に料理を作る業務は実務経験として認められます。
調理師免許の取得を目指すなら、応募前や配属時に、調理業務を担当できる職場・ポジションかを確認しておくことが大切です。
実務経験の数え方と合算のルール

調理師試験に必要な実務経験は、必ずしも1つの職場で2年間働く必要はありません。
数え方を正しく理解しておけば、「経験が足りない」と思っていた人も受験資格を満たせる場合があります。
複数の職場の期間は合算できる
実務経験は、異なる職場で働いた期間を合算できます。
例えば、以前勤務していた飲食店で1年間、現在の職場で1年間調理業務に従事していれば、合計2年の実務経験として受験資格を満たします。
転職した場合でも、条件を満たす施設で調理業務に従事していた期間であれば通算できるため、現在の職場だけで2年に届いていなくても受験できる可能性があります。
同じ時期の掛け持ちは二重に数えられない
同じ期間に複数の職場で働いていた場合、その期間を重複して数えることはできません。
例えば、A店とB店で同じ半年間働いていた場合でも、実務経験として認められるのは半年分です。1年分として計算されるわけではありません。
実務経験として合算できるのは、異なる時期に積んだ勤務期間です。

実務経験を証明する「調理業務従事証明書」とは

受験を申し込む際には、実務経験を証明する書類の提出が必要です。一般的には「調理業務従事証明書」と呼ばれています。
証明書には、勤務先の名称や営業の種類、調理業務に従事した期間、勤務日数、1日の勤務時間などを記載します。
記入するのは勤務先の証明権限がある人
調理業務従事証明書は、自分で作成する書類ではありません。
勤務先の営業者や施設長など、証明権限のある人に記入・証明してもらう必要があります。
複数の職場で実務経験を合算する場合は、それぞれの勤務先で証明書を用意しなければなりません。退職した職場の証明も必要になるため、退職前や在職中に依頼しておくとスムーズです。
証明書の入手方法
証明書の様式は受験願書に同封されているほか、受験予定の都道府県や調理技術技能センターのホームページからダウンロードできる場合があります。
様式は年度ごとに変更されることもあるため、必ず受験する年度のものを使用しましょう。

実務経験のごまかしはバレる?リスクを解説

実務経験が足りないからといって、勤務期間や業務内容を偽って申請することは絶対に避けましょう。
調理業務従事証明書は、勤務先が実務経験を証明する公的な書類です。虚偽の内容で申請すると、受験資格を失ったり、取得した免許が取り消されたりする可能性があります。
また、証明書を発行した勤務先にも迷惑がかかるおそれがあります。
遠回りに感じても、条件を正しく満たしてから受験することが、結果的にもっとも確実な方法です。
「実務経験として認められなかった」とならないためにも、調理師免許の資格取得を支援している職場を選ぶのも一つの方法です。
これから就職先を探す方は、自分のなりたい姿をイメージしながら「エフラボ」でさまざまな職場をチェックしてみてください。
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調理師免許の実務経験に関するよくある質問

調理師免許の実務経験に関するよくある質問に回答します。
まとめ
調理師免許を独学で取得するには、対象となる施設で一定期間、調理業務に従事した実務経験が必要です。
実務経験として認められる施設や勤務時間には条件があり、調理以外の業務は対象になりません。複数の職場で積んだ実務経験は合算できるため、転職した場合でも受験資格を満たせることがあります。
条件を満たしたら、勤務先で実務経験を証明する書類を発行してもらい、調理師試験に申し込みましょう。
調理師免許の取得を目指すなら、まずは実務経験を積める職場を選ぶことが大切です。
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