「パティシエとして働きたい場合、製菓衛生師の資格を取っておくべきと聞いたけれど本当なの?」
「製菓衛生師の資格を取得した使い道は実際あるの?」
製菓衛生師の資格を取得したものの、その使い道に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
本記事では「製菓衛生師の使い道」に焦点を当て、資格を活かした就職先やキャリアの可能性について詳しく解説します。
製菓衛生師は、パティシエとしての就職や開業、さらには海外での活躍においても大きなアドバンテージとなります。
資格取得を考えている方や、すでに取得したが次のステップに迷っている方にとって、有益な情報を提供するので、ぜひ最後までお読みください。
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製菓衛生師とは

製菓衛生師とは、日本国内でお菓子作りに携わるために必要な国家資格です。
お菓子作りにおいて、製菓製造業で働く方の質を高めるだけでなく、安全で衛生的な業務ができるような体制を整えることも目的にしています。
製菓衛生師を取得していると、お菓子作りに必要な知識と技術を持っていることを証明できるため、就職先を探す際にも役立つ資格です。
製菓衛生師の資格は、パティシエとしてのキャリアを目指す方にとって取得しておきたい資格になるのです。
参考:厚生労働省「製菓衛生師」
製菓衛生師とパティシエの違い
製菓衛生師とパティシエは、どちらも製菓に携わる職業ですが、以下のような明確な違いがあります。
| 製菓衛生師 | パティシエ | |
| 名称ごとの違い | 名称独占資格(※) | 職業の名称 |
| 就職時の注意点 | 資格を保有していないと製菓衛生師を名乗れない | 就職先ごとに条件が異なる |
上記の通り、製菓衛生師はパティシエとして働く上で有利になる資格であると同時に、資格を保有していないと「製菓衛生師」と名乗れません。
一方で、パティシエはあくまで職業名になるため、主にスイーツ業界でお菓子作りの現場で働きたい方にとっての就職先になります。
※名称独占資格:有資格者以外が名称を肩書きにするのを禁止している資格(例:栄養士、調理師なども含む)
製菓衛生師と菓子製造技能士
製菓衛生師とよく混合される資格である「菓子製造技能士」は、実務経験が重要な資格です。
製菓衛生師と製菓技能士の違いをまとめると、以下の通りになります。
| 資格名 | 役割・目的 | 説明 |
| 製菓衛生師 | 菓子製造における衛生管理を重視し、食品の安全性を確保するための知識を証明 | 食品衛生責任者としての役割を果たし、店舗運営において重要 |
| 菓子製造技能士 | 菓子作りの専門技術を証明し、技術力に焦点を当てた資格 | 1級は高度な技術、2級は基礎的な技術を示す国家資格 |
両者の資格を取得しておくと、技術と衛生管理の両面から信頼性を高められるため、製菓業界でのキャリアにおける選択肢を増やせます。
パティシエとしてのプロフェッショナルな地位を確立するための大きな一歩となるのです。
製菓衛生師の使い道

製菓衛生師の使い道は、国家資格でもあるので、以下のような使い道があります。
- パティシエとして就職する際に有利
- 海外でパティシエとして就職する際に有利
- 開業する際に必要な「食品衛生責任者」の取得が可能
製菓衛生師の取得を目指している方やすでに取得した方はぜひ、今後のキャリア形成に役立てるために資格の使い道を参考にしてください。
使い道1.パティシエとして就職する際に有利
製菓衛生師の資格は、パティシエとして就職する際に大きなアドバンテージとなります。
製菓衛生師の資格は、製菓に関する専門的な知識と技能を有していることの証明であり、雇い主に対して高い信頼性を示します。
とくに、衛生管理に関する知識があることは、食品を扱う現場において重要視されるポイントです。
製菓衛生師の資格を取得しておくと、衛生面でのトラブルを防げる可能性を高められる人材であるとアピールできるのです。
さらに、製菓業界では資格取得そのものが、キャリアアップの条件となる場合もあり、長期的なキャリア形成にも役立ちます。
資格取得の努力は決して無駄にはならず、キャリアの基盤を強固にできる使い道があるのです。
使い道2.海外でパティシエとして就職する際に有利
製菓衛生師の資格は、海外でパティシエとして働きながら修行したい方にもおすすめです。
製菓衛生師は衛生管理のプロフェッショナルであるため、国際的な食品衛生基準を理解し、適切に対応する能力があると認識されます。
とくに、ヨーロッパやアメリカの高級レストランやホテルでも、製菓に関する高い技術と知識を持つ人材が求められています。
また、海外で働く際に必要な就労ビザを取得する際も、ビザが取得しやすくなるのです。
実際に外国人留学生向けに農林水産省では、日本の食文化の普及促進を目的とし、製菓衛生師を対象に「特定活動」として最大5年間の在留を認めています。
海外でパティシエの修行をしたい方は、各国で定められた就労ビザの条件を把握すれば、製菓衛生師を活かした使い道になるのです。
参考:農林水産省「日本の食文化海外普及人材育成事業と外食業分野における特定技能について」
使い道3.開業する際に必要な「食品衛生責任者」の取得が可能
製菓衛生師の資格を持っていると、飲食店の開業時に必要となる「食品衛生責任者」の取得が可能になります。
食品衛生責任者は、飲食業界において食品の安全と衛生を確保するための基準を満たせる「責任者」であることを示す資格です。
また、食品衛生責任者は通常、講習会の参加が義務付けられていますが、製菓衛生師を取得していれば、講習会に参加する時間と費用を削減できます。
さらに、飲食店を開業する際、店舗ごとに食品衛生責任者を設置しなければいけません。
つまり、製菓衛生師を取得するだけでなく、食品衛生責任者も取得すれば店舗の責任者へのキャリアアップできる使い道もあるのです。
参考:公益社団法人日本食品衛生協会「食品衛生にかかわる資格」
製菓衛生師の試験概要

ここからは、製菓衛生師の資格取得を目指している方に向け、受験資格や試験内容を解説していきます。
2025年に東京で開催された製菓衛生師の試験結果による高確率もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
受験資格
製菓衛生師の資格を取得するためには、以下いずれかが受験するための条件になります。
- 養成施設で1年以上通学する
- 2年以上の実務経験を積む
どの方向で製菓衛生師の受験資格を得るのか、全体像を見ていきましょう。
養成施設で1年以上通学する
製菓衛生師試験の受験資格を得るための一般的なルートの1つに、製菓衛生師養成施設で1年以上通学する方法があります。
養成施設に通学するルートは、専門的な知識と実践的なスキルを体系的に学べるため、パティシエを目指す多くの方に選ばれています。
養成施設では、製菓に関する基本的な技術から高度なテクニックまで幅広く学べる環境が整っているのがメリットです。
後述する独学よりも、製菓衛生師の合格に向けた道筋が明確な分、資格取得までの期間が短いのも特徴です。
しかし、専門機関での学習になるため、通学に必要な学費を払わなければいけません。
まとまった学費を払うのが難しい場合、奨学金の活用が視野に入るので、金銭的な余裕がある方向けの選択肢になります。
参考:厚生労働省「製菓衛生師」
2年以上の実務経験を積む
養成施設に通学せず、製菓衛生師の資格を取得するためには、2年以上の実務経験を積む必要があります。
実務経験では、単に技術を磨くだけでなく、職場での問題解決能力やコミュニケーションスキルを育む絶好の機会となるのがメリットです。
多くのパティスリーや洋菓子店では、製菓衛生師としての知識と技術を持つ人材を求めており、実務経験がその証となります。
とくに、製菓の現場では、スピードや効率性が求められる場面が多く、実務経験を通じた対応力が自然に身につきます。
しかし、製菓衛生師の受験資格を得るには、2年以上の実務経験を「週4日以上かつ1日6時間以上の勤務」が必要です。
養成施設と比べ、働く時間が長い分、勉強にかける時間が短くなるのがデメリットです。
参考:厚生労働省「製菓衛生師」
試験内容
製菓衛生師の試験内容は、筆記試験と実技試験の2つのセクションになっており、それぞれの試験科目は以下の通りです。
- 衛生法規
- 公衆衛生学
- 食品学
- 食品衛生学
- 栄養学
- 製菓理論
- 製菓実技
※計60問、4肢択一方式
※製菓実技では、和菓子、洋菓子、製パンの中から1つを選び、解答していく
参考:厚生労働省「製菓衛生師」
参考:保健医療局「令和7年度東京都製菓衛生師試験の実施について」
合格率
製菓衛生師は、東京で開催された試験を例に挙げると、65.6%が合格率です。
- 出願者数:1,076人
- 受験者数:1,052人
- 受験率:97.8%
- 合格者数:690人
- 合格率:65.6%
製菓衛生師の試験は、全国で開催されているので、お近くの地域で開催された試験の合格率を確認し、1つの指標として捉えておきましょう。
参考:保健医療局「令和7年度東京都製菓衛生師試験の実施について」
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製菓衛生師やパティシエを目指す人におすすめの就職先

製菓衛生師の使い道でもある就職先選びにおいて「どの会社が良いのか迷っている」方に向け、おすすめの就職先を紹介します。
パティシエとしてのキャリアを形成したい方は、ぜひ参考にしてください。
株式会社ル・パティシエヤマダ
株式会社ル・パティシエヤマダは、製菓業界でのキャリアを目指す方にとっておすすめな就職先の1つです。
製菓衛生師やパティシエを目指す方にとって、ル・パティシエヤマダでの勤務は、実践的なスキルを磨く絶好の機会です。
新しい製菓技術を学べるだけでなく、伝統的な技法の重要性についても深く理解できます。
また、製菓衛生師としての知識を活かし、食品衛生に関する業務にも積極的に関われる環境が整っています。
さらに、ル・パティシエヤマダでは、若手の育成に力を入れており、社員一人ひとりの成長をサポートしている就職先です。
将来的に独立を目指す方や、さらなるキャリアアップを考えている方にも大きなメリットとなります。
株式会社うかい
株式会社うかいは、伝統的な日本料理を提供する「うかい亭」を中心に、専門店に引けを取らないクオリティのスイーツを展開している企業です。
味はもちろん、店舗の雰囲気やサービスにも細心の注意を払っており、訪れるお客様に特別な体験を提供しています。
高級志向のお客様に対するサービスを学べるだけでなく、厳選された素材を使用したクリエイティブなデザートの開発に携わる機会も豊富です。
また、日本を代表する高単価レストランを運営しているため、優れたサービスとホスピタリティの提供について深く学べる環境が整っています。
製菓衛生師の使い道として、資格を活かした上でさらに成長したいと考えている方にとって、おすすめの環境になります。
ジェイ・ワークス株式会社
ジェイ・ワークス株式会社は、製菓業界での確固たる地位を築いており、パティシエや製菓衛生師を目指す方にとっておすすめな就職先の1つです。
ジェイ・ワークスでは、高品質な製品を追求するだけでなく、従業員のスキル向上にも力を入れています。
また、社員のキャリアアップを支援するための研修制度も充実しており、資格を活かしてさらに成長したいと考える方にとって、理想的な環境が整っています。
製菓衛生師の使い道として専門性を活かしつつ、キャリアの幅を広げる多くの機会を得られる就職先です。
まとめ

製菓衛生師の使い道として、パティシエへの就職やキャリアアップにおいて、大きなアドバンテージを得られます。
製菓衛生師は、国内外での就職に有利になり、さらに独立して自分の店を開業する際にも「食品衛生責任者」を取得できる役割もあります。
製菓衛生師の資格を取得するためには、試験の概要をしっかりと理解し、必要な受験資格や試験内容に備えるのが重要です。
また、すでに資格取得を考えている方は、具体的な就職先やキャリアプランを見据えて行動を始めましょう。
資格取得後のキャリアを考える際は、紹介した企業やその他の製菓関連の職場の情報を集め、自分にあった職場を見つけるのが大切です。
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