調理師を目指すうえで、初任給や年収がどれくらいなのかは気になるところです。給料は生活やモチベーションに直結するため、就職先を選ぶ前に相場を知っておきたい方も多いでしょう。
結論からいうと、調理師の給料は経験や職場選びによって大きく変わります。キャリアを重ねることで、年収アップを目指せる仕事です。
この記事では、調理師の初任給と平均年収を、公的なデータとエフラボ独自データの両面から解説します。給料が高い職場の選び方や年収を上げる方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
飲食業界専門の新卒求人サイト「エフラボ」では、調理師向けの求人情報を多数掲載しています。実際の初任給を確認してみましょう。
調理師の平均初任給と手取り

調理師として働き始めたときの初任給は、月給20万円台前半がおおよその目安です。ただし、学歴や働く職場によって差があります。
ここでは、学歴別・職場別の初任給に加え、手取りの目安や固定残業代の見方まで解説します。
学歴別の平均初任給
「エフラボ」に掲載されている調理師・キッチン向けの求人をもとにすると、調理師の初任給は月給21万〜28万円あたりが中心です。
給食や社員食堂、居酒屋、多業態を展開する企業など、職場によって上下します。
学歴による差も大きな開きはありません。調理師の世界は学歴よりも、入社後にどれだけ技術や経験を積めるかが評価されやすい傾向があります。
これを飲食業界全体と比べてみましょう。
飲食業界全体の初任給は、「エフラボ」が全国232社を対象に実施した独自調査(2026年)の新卒給与データを参考にしてください。
| 学歴 | 平均初任給 |
|---|---|
| 四年制大学卒 | 247,949円 |
| 短大卒 | 243,807円 |
| 専門学校2年制卒 | 242,120円 |
| 専門学校1年制卒 | 241,192円 |
| 高校卒 | 239,916円 |
飲食業界全体で見ても、学歴による大きな差がない様子がわかります。
飲食業界全体の初任給が24万円前後であるのに対し、調理師の中心帯はほぼ同じ水準です。極端に低いということはありません。
職場・業態別の初任給
初任給は、働く職場のタイプによっても変わります。
エフラボに掲載されている調理師・キッチン向けの求人を見ると、業態ごとの初任給には次のような傾向があります。
| 職場・業態 | 初任給の目安 (月給) |
|---|---|
| 給食・社員食堂・病院・介護 | 約19〜23万円 |
| ホテル・旅館 | 約20〜24万円 |
| カフェ・ベーカリー・スイーツ | 約20〜28万円 |
| レストラン・専門店 | 約23〜30万円 |
| 居酒屋・焼肉・中華など | 約26〜32万円 |
給食や社員食堂などは初任給が控えめな一方で、シフトが安定しており、働きやすいのが特徴です。
居酒屋や多業態を展開する企業では、初任給が高めに設定されている求人も多く見られます。
同じ調理師でも、働く職場によって初任給には差があることがわかります。

初任給の手取りと固定残業代の見方
求人票に書かれている初任給は、税金や社会保険料が差し引かれる前の総支給額です。実際の手取りは、総支給額のおおむね8割前後が目安になります。
例えば、総支給額が24万円程度の場合、手取りは19万〜20万円前後です。実際の金額は、扶養の有無や住んでいる地域によって異なります。
あわせて確認しておきたいのが、固定残業代です。エフラボの調査では、対象232社のうち約53%が固定残業制を導入していました。
固定残業代とは、あらかじめ一定時間分の残業代が月給に含まれている制度です。
例えば、同じ月給24万円でも「基本給24万円」の求人と、「基本給21万円+固定残業代3万円」の求人があります。
後者は、あらかじめ決められた時間分の残業代を含めて24万円となっています。
求人を比較するときは、月給だけでなく、基本給や固定残業時間の内訳まで確認することが欠かせません。
調理師の平均年収・給与(月給)

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、調理師が該当する日本料理調理人(板前)の全国平均年収は379.1万円です。
この数字は全年齢の平均であり、実際の年収は年齢や経験年数、役職によって大きく変わります。
ここでは、それぞれの違いを見ていきましょう。当データには調理師免許を持たない調理師も含まれているため、参考としてご覧ください。
年齢別の年収
調理師の年収は、年齢とともに上がっていく傾向があります。
「job tag」の年齢別データによると、年収の推移は次のとおりです。
| 年齢 | 平均年収 |
|---|---|
| 20~24歳 | 315.76万円 |
| 25~29歳 | 359.42万円 |
| 30~34歳 | 383.67万円 |
| 35~39歳 | 399.07万円 |
| 40~44歳 | 415.96万円 |
| 45~49歳 | 439.62万円 |
| 50~54歳 | 416.33万円 |
| 55~59歳 | 397.67万円 |
| 60~64歳 | 355.56万円 |
20代前半は仕込みや調理補助など基礎的な業務が中心のため、年収は低めの傾向です。
その後、経験を積んで担当できる仕事が増えるにつれて年収も上がり、45〜49歳で約440万円と最も高くなります。
経験年数別の給与(月給)
年齢だけでなく、調理師としての経験年数も給与に影響します。
「job tag」の経験年数別の所定内給与額(月額)は次のとおりです。
| 経験年数 | 所定内給与額 (月額) |
|---|---|
| 0年 | 23.13万円 |
| 1~4年目 | 23.6万円 |
| 5~9年目 | 24.62万円 |
| 10~14年目 | 26.05万円 |
| 15年以上 | 29.71万円 |
年齢が同じでも、調理師として積み重ねた経験によって給与には差が生まれることがわかります。
特に若いうちは収入が伸びにくい時期もありますが、技術や経験を積み重ねることで着実に給与アップを目指すことが可能です。
役職・キャリア別の年収
同じ調理師でも、どの立場で働くかによって年収は大きく変わります。
「エフラボ」で掲載されている求人のモデル年収をまとめると、次のような水準です。
| 立場・役職 | 年収の目安 |
|---|---|
| 見習い・調理スタッフ | 約350〜400万円 |
| 副料理長・主任 | 約440〜480万円 |
| 料理長・店長 | 約500〜620万円 |
| 総料理長・本部職 | 約680〜880万円 |
料理長になると調理の腕だけでなくマネジメントの力も求められますが、その分収入は大きく伸びます。
さらに独立してオーナーシェフになれば、収入に上限はなくなり、年収1,000万円を目指すことも可能です。
年収は職場やキャリアの積み方によって大きく変わります。
どんな条件の求人があるのかを実際に見てみたい方は、「エフラボ」で調理師・キッチン向けの求人を探してみてください。
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調理師の残業や労働時間の目安

給料とあわせて気になるのが、労働時間や残業です。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、日本料理調理人(板前)の月間実労働時間は平均169時間とされています。
ただし、実際の働き方は職場によって大きく異なる点に注意が必要です。仕込みや営業時間、提供する料理の内容などによって、残業時間や勤務時間には差があります。
職場ごとの傾向は次のとおりです。
- 個人店・繁盛店:仕込みや閉店後の片付けなどで、拘束時間が長くなりやすい
- 大手企業・チェーン店:勤怠管理や労務管理が比較的整っている企業が多く、勤務時間が管理されやすい
- 病院・学校・社員食堂:シフト制で勤務時間が安定しており、残業が少ない傾向がある
求人票を見るときは月給だけでなく、固定残業代の有無や残業時間、年間休日数まで確認しておきましょう。
給料と働き方のバランスを見て職場を選ぶことが、長く働き続けるためのポイントです。
調理師の給料は安い・やめとけと言われる理由

調理師について調べると、「給料が安い」「やめとけ」といった声を目にすることがあります。
その理由として、次のような点が挙げられます。
- 若いうちは下積み期間で、収入が上がりにくい
- 残業や休日出勤が発生し、労働時間のわりに給料が見合わないと感じる人もいる
- 企業規模や経営方針によっては、賞与や各種手当が少ない職場もある
ただし、こうした印象はすべての職場に当てはまるわけではありません。
実際には、残業が少なく休日をしっかり確保している職場や、賞与・各種手当が充実している企業もあります。また、経験を積んで料理長などの役職に就くと、収入は着実に上がっていきます。
「調理師だから給料が安い」と決めつけるのではなく、求人票で給与や休日、福利厚生、昇給制度まで確認し、自分に合った職場を選ぶことが大切です。
調理師が給料の高い職場を選ぶポイント

調理師の給料は、働く会社やお店によって大きく変わります。求人票を見るときは月給だけで判断せず、将来の収入まで考えて比較しましょう。
ここでは、給料の高い職場を選ぶために確認したいポイントを紹介します。
基本給だけでなく賞与や手当も確認する
年収は毎月の給料だけでなく、賞与や各種手当を含めた金額で決まります。
同じ月給でも、賞与がある会社や、住宅手当・資格手当・家族手当などが充実している会社では、1年間の収入に大きな差が出ることがあります。
求人票では、賞与の支給実績や手当の内容まで確認しておきましょう。

昇給制度やキャリアアップの仕組みを見る
入社時の給料だけでなく、「将来どれくらい収入が伸びるか」も重要です。
昇給制度が整っている会社や、料理長・店長・本部職などへのキャリアアップ制度がある会社は、経験を積むほど年収アップを目指しやすくなります。
求人票にモデル年収やキャリア例が掲載されている場合は、あわせて確認しておくと安心です。
教育制度が整った会社を選ぶ
技術を身につけて評価されることが、将来の収入アップにつながります。
研修制度や資格取得支援制度が充実している会社は成長しやすい環境が整っているため、長期的に見ると年収アップにつながる可能性があります。
「未経験者向け研修」「資格取得支援制度」「独立支援制度」などがあるかも、求人票で確認してみましょう。
条件の良い職場は、複数の求人を比較することで見つけやすくなります。

飲食業界専門の新卒求人サイト「エフラボ」では、初任給や賞与、休日などの条件から求人を絞り込んで探せます。気になる職場を比較しながら、自分に合った企業を見つけてみてください。
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調理師が年収を上げる方法

調理師は経験や技術が評価されやすい仕事です。
ここでは、調理師が年収アップさせるための代表的な方法を紹介します。
昇格して役職に就く
最も一般的な方法が、料理長や店長などの役職を目指すことです。
経験を積み、調理技術だけでなく後輩の指導や店舗運営にも携わるようになると、責任が大きくなる分、給与も上がります。
長く働いて経験を積むことが、収入アップへの近道といえるでしょう。

資格を取得する
資格を取得すると知識や技術の証明になるだけでなく、職場によっては資格手当が支給されることもあります。
調理師がキャリアアップに役立てられる資格には、次のようなものがあります。
- 専門調理師・調理技能士
- ふぐ調理師(地域により制度が異なる)
特に、専門調理師・調理技能士は実務経験が必要な国家資格で、高い調理技術を証明できます。
独立して自分の店を持つ
経験を積んだ先には、自分のお店を開業するという選択肢もあります。
繁盛店を経営できれば、会社員より高い収入を目指すことも可能です。一方で、経営がうまくいかなければ収入が不安定になるリスクもあります。
独立には調理技術だけでなく、接客や店舗運営、経営の知識も必要です。まずは現場で経験を積み、料理長などを経験してから独立する人が多くいます。
まとめ

調理師の初任給は決して高いとはいえませんが、経験や技術を積み重ねることで収入アップを目指せる仕事です。
また、働く会社やお店によって、初任給や賞与、手当、昇給制度などは大きく異なります。
働く場所を選ぶときは、教育制度やキャリアアップの仕組み、働きやすさまで含めて比較することが大切です。
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