カフェの正社員と聞くと、「おしゃれで落ち着いた雰囲気の中で働く」といった華やかなイメージを持つ方も多いでしょう。
しかし、カフェの仕事は立ち仕事が多く、体力的・精神的にきついと感じる場面も多くあります。その上、正社員として働く場合は、売上管理やスタッフの指導など、求められるスキルや責任も大きくなる点に注意が必要です。
今回は、カフェで正社員として働くのが「きつい」といわれる理由を解説します。正社員として働くやりがいやメリットも紹介するので、カフェで正社員として就職したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
飲食業界専門の新卒求人サイト「エフラボ」では、カフェの正社員の求人情報を多数取り扱っています。飲食業界への就職を目指している方は、ぜひご活用ください。
カフェで正社員として働くのは本当にきつい？
カフェの正社員は一見華やかに見えますが、実際には体力と気力が求められる仕事です。カフェで正社員として働く場合、業務は多岐にわたるほか、混雑時にはプレッシャーがかかる場面で迅速かつ冷静な判断が必要になります。
以下で、カフェで正社員として働くのが「きつい」といわれる理由を見ていきましょう。
立ち仕事が多い
カフェで正社員として働くのがきついといわれる理由として、立ち仕事が多い点が挙げられます。カフェの仕事では、接客からレジ打ち、ドリンク作り、清掃など、多岐にわたる業務を基本的に立ったまま行います。
カフェで働いていると、休憩時間を除いて座る時間はほどんどありません。勤務中はレジから客席、調理場へと連続して移動し続けるため、足腰への負担も大きくなります。体力に自信がなく、立ち仕事がきついと感じる方は、カフェで正社員として働くのには向いていないでしょう。
混雑時の対応が難しい
混雑時の対応が難しい点も、カフェで正社員として働くのがきついといわれる理由の一つです。
多くのカフェでは、ランチタイムや休日などに客足が増える傾向にあります。ピーク時には多くの注文が一気に入るため、スタッフと協力しながらフル稼働で対応しなければなりません。その上、混雑時の対応にはスピードと正確さが求められます。
注文を聞き間違えたり食事やドリンクの提供が遅れたりするなど、些細なミスもクレームにつながる可能性があるため、精神的なプレッシャーからきついと感じやすいでしょう。
シフト制で働くことが一般的
カフェで正社員として働くのがきついといわれる理由として、シフト制の働き方が合わない点があげられます。
多くのカフェはシフト制を採用しており、営業時間に応じて出勤時間が変動するのが一般的です。とくに、正社員の場合は、早朝の開店準備や閉店後の片付けを担当して不規則な生活を強いられる可能性も考えられます。
ほかにも、正社員の場合、土日祝日や年末年始などの繁忙期にも率先して出勤しなければいけない場面もあるでしょう。シフト制で働く場合、生活リズムを整えるのに苦労したり、家族や友人と予定を合わせづらくなったりして、きついと感じやすいといえます。
カフェの正社員とアルバイトの違いは？
カフェで働く正社員とアルバイトは、どちらも共通して接客や調理を行います。しかし、正社員の場合はより重要な役割を担うのが一般的です。カフェで働く正社員とアルバイトの主な違いは、下表のとおりです。
| 正社員 | アルバイト | |
| 主な役割 | 店舗運営に関わる重要な役割 | サービスのオペレーションを担う役割 |
| 業務内容 | 接客、調理、仕入れ、在庫管理、売上管理、シフト作成、スタッフ教育などの幅広い業務 | 接客、調理、清掃などの基本業務 |
| 勤務時間 | シフト制1日8時間程度フルタイム勤務 | シフト制1日3〜8時間週に1〜2日以上など柔軟な勤務が可能 |
| 福利厚生・待遇 | 充実している | 勤務先により異なる |
| 働く人の特徴 | 長期的なキャリアを目指す人安定した働き方を求める人 | 高校生からシニア世代まで幅広い年代の人スキマ時間で働きたい人 |
カフェの正社員はアルバイトに比べて人数が少なく、店舗に1人しか配置されていないケースもあります。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、カフェ店員における正社員の割合は、28.3%です。
カフェの正社員はアルバイトと異なり、店舗運営の中核を担う役割として期待されます。
参考：厚生労働省『職業情報提供サイト job tag カフェ店員 – 職業詳細』
カフェで正社員として働くやりがいは？
カフェの正社員は、きついことばかりではありません。カフェで正社員として働く場合、人と関わる喜びや自己成長を実感できる場面もあります。
以下で、カフェで正社員として働くやりがいを3つ紹介します。
お客様の笑顔に触れられる
カフェで正社員として働くやりがいは、お客様の笑顔に触れられることです。カフェの接客はお客様との距離が近く、自然に会話する機会が増える傾向にあります。
カフェには常連のお客様や初来店の方など、さまざまな人が訪れます。「ありがとう」「また来るね」といったお客様からの言葉や、笑顔で召し上がっていただく姿は、カフェで働く人にとって日々の努力が報われる瞬間です。
お客様との温かなやり取りは、仕事に誇りを持つきっかけにもなります。とくに、人と接するのが好きな人にとって、カフェの正社員はやりがいを強く感じられる環境だといえます。
バリスタとしての成長・キャリアアップ
バリスタとして知識を深めたりスキルを高められたりする点も、カフェで正社員として働くやりがいの一つです。エスプレッソの抽出技術やラテアートなどは、日々の業務を通して自然に技術力が磨かれていくものです。
勤務先によっては、社内研修やバリスタ資格の取得支援制度を導入しているカフェもあります。バリスタとしての専門性を高められると、キャリアアップのチャンスも広がります。バリスタに必要な技術を磨き、専門性を高めたい方にとって、カフェの正社員は成長を実感しやすい環境だといえるでしょう。
店長やマネージャーになることもできる
店長やマネージャーを目指せることも、カフェで正社員として働くやりがいになります。カフェの仕事は、現場の実務経験が昇進に直結するケースも多く、店舗運営を担うポジションへのステップアップを目指せます。
店長やマネージャーになると、より裁量を持って店舗運営に携われる点がメリットです。経営者の視点が身につくにつれ、やりがいも大きくなるでしょう。自分のアイデアを店舗づくりに活かしたい方にとって、カフェの正社員は適切なキャリアパスの一つだといえます。
＼気になるお仕事を今すぐチェック！／
カフェで正社員として働くメリット3選
カフェの正社員には、やりがいだけではなく、待遇や働く環境面でも魅力的なメリットがあります。カフェで正社員として働くメリットを3つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。
コーヒーが社員割引で飲める
カフェで正社員として働く場合、割引価格で店舗の商品を楽しめるメリットがあります。多くのカフェでは、社員向けの福利厚生の一環として「まかない」や「社員割引制度」が導入されているからです。
たとえば、出勤前後に割引価格で好きなドリンクを飲めたり、新メニューを無料で試せたりする場合もあります。コーヒーが好きな方にとって、社員割引で気軽に楽しめるのは嬉しいポイントです。なお、日常的にコーヒーを飲むことで、味覚や知識の向上にもつながるでしょう。
イベントや新メニューの開発などに関われる
カフェの正社員になると、イベント企画や新メニューの開発に携われるメリットがあります。正社員は、アルバイトと比べて意見やアイデアが反映されやすいポジションにあるからです。
接客やドリンク作り、調理などはアルバイトでも経験できます。しかし、地域限定のコラボレーションイベントを企画したり、季節限定メニューを提案したりするなど、自分の考えを形にできる仕事は正社員ならではの特権だといえるでしょう。
スキルアップや独立開業のための勉強ができる
スキルアップや独立開業のための勉強ができる点も、カフェで正社員として働くメリットの一つです。正社員として店舗運営に携わることで、幅広いスキルを実践的に身につけられます。
正社員として働いたあと、経験を活かして自身のカフェを開業する方や、バリスタとして他店へ転職し活躍の幅を広げる方もいます。とくに、独立開業のためのマネジメント経験は、アルバイトでは身につかないでしょう。
「将来自分のカフェを持ちたい」と考えている方にとって、正社員として得られる実践的な学びは大きなメリットになります。
カフェで正社員として就職した場合の年収
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、カフェ店員の年収は369.4万円です。
カフェで正社員として就職する場合、ほかの仕事と比べて年収はやや低めだといえます。国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者のうち正社員の平均給与は530万円です。
また、飲食業界専門の新卒求人サイト「エフラボ」に掲載されている求人情報を確認すると、月給は25万円前後が相場です。企業規模や勤務先によって差はありますが、経験を積んで店長クラスになれば400万円以上の年収を得られます。
カフェで正社員として就職する場合は、給与だけではなく、社会保険や有給休暇、福利厚生などが整っているかどうかも確認して志望先を検討しましょう。カフェで働く上で長期的かつ安定したキャリアを築きたい場合は、アルバイトではなく正社員としての就職がおすすめです。
参考：厚生労働省『職業情報提供サイト job tag カフェ店員 – 職業詳細』
カフェで正社員として働くのに向いている人の特徴
カフェで正社員として働く際には、コミュニケーションスキルや冷静な対応力など、さまざまな資質が求められます。カフェの仕事に向いていない場合、きついと感じる場面も増えてしまうでしょう。
以下で、カフェで正社員として働くのに向いている人の特徴をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
いろいろな人とコミュニケーションを取るのが好きな人
カフェの正社員には、コミュニケーションを取るのが好きな人が向いています。なぜなら、カフェの仕事では、注文のやり取りや会話を通じてお客様に心地良い時間を提供することが大切だからです。
常連のお客様との会話を自然に楽しんだり、初めて来店した方に丁寧な接客をしたりすると、「また来たい」と思ってもらえるような空間づくりにつながります。カフェの正社員は、人と話すことが好きな人にとってやりがいや喜びを感じられる仕事です。
コーヒーやカフェの雰囲気が好きな人
コーヒーやカフェの雰囲気が好きな人は、正社員として働くのに向いています。好きなものに囲まれて仕事ができる場合、日々の業務に対しても自然に情熱が生まれるでしょう。
「好き」を仕事にすることは、大きなモチベーションにもつながります。たとえば、豆の種類や抽出方法に興味がある場合には、仕事のすべてが学びの場であり、知識を深められることに喜びを感じるものです。
コーヒーやカフェの雰囲気が好きな人にとって、カフェは正社員として長く働き続けられる職場だといえます。
忙しくても冷静な対応ができる人
忙しいときに冷静な対応ができる人も、カフェで正社員として働くのに向いています。カフェは休日やランチタイムなどの混雑時に注文が集中する傾向にあり、瞬時の判断力や対応力が求められるためです。
たとえば、レジが混んでいるときに落ち着いてお客様を誘導したり、調理場でミスが起きたときに素早くフォローしたりするなど、冷静な対応が安定した店舗運営に直結します。感情に支配されず冷静に動ける人は、カフェの正社員として信頼を勝ち取れるでしょう。
まとめ
カフェの正社員は、一見するとおしゃれで華やかなイメージがありますが、実際には体力的・精神的にハードな側面もあります。混雑時の対応やシフト勤務による負担など、「きつい」と感じるケースもあるでしょう。
一方で、お客様とのやり取りを通じて喜びを感じられたり、バリスタとして成長できたりするなど、多くのやりがいもあります。カフェの正社員になることは、将来的に店長やマネージャーといったポジションに就きたい方や独立開業を目指す方にとって、実践的な経験が積める貴重な機会です。
将来のビジョンや理想とするライフスタイルと照らし合わせながら、カフェでの正社員が向いているかを判断してみてください。
飲食業界専門の新卒求人サイト「エフラボ」では、カフェの正社員の求人情報を多数取り扱っています。飲食業界への就職を目指している方は、ぜひご活用ください。
