飲食の求人でよく見かける「セントラルキッチン」とは、さまざまな店舗で出す料理をまとめて作る施設のことです。例えば、給食センターは代表的なセントラルキッチンといえます。
ファミリーレストランの料理から、学校や病院の食事まで、幅広い場所で使われている仕組みです。
この記事では、セントラルキッチンの意味や仕組みから、仕事内容、働くメリット・デメリットまで紹介します。
記事の後半では、飲食業界専門の新卒求人サイト「エフラボ」で掲載されている求人例もまとめました。
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セントラルキッチンとは?意味をわかりやすく解説

セントラルキッチンには、いくつかの呼び方や名前の似た施設があります。
ここでは、それぞれの言葉の意味と、勘違いしやすい施設との違いを紹介します。
セントラルキッチンの概要
セントラルキッチンとは、複数の店舗や施設で出す料理を、1ヶ所でまとめて調理・仕込みする施設のことです。飲食チェーンの料理をまとめて作る大きな厨房と考えると、イメージしやすいでしょう。
このように、1ヶ所でまとめて調理する仕組みを「セントラルキッチン方式」といいます。求人票や企業の公式サイトにある「セントラルキッチンシステム」も、基本的には同じ仕組みを指す言葉です。
呼び名は一つではないため、求人を見ていて別の言葉が出てきても戸惑わないようにしましょう。
店舗のキッチンスタッフとの違いをまとめると、以下のようになります。
| 比べるポイント | 店舗のキッチンスタッフ | セントラルキッチン |
|---|---|---|
| 働く場所 | お店の厨房 | 工場のような施設 |
| 仕事の中身 | 注文ごとに調理する | 複数の店舗・施設で使う料理をまとめて作る |
| お客様と接するか | 接する機会がある | 基本的に少ない |
店舗のキッチンは、お客様から入った注文に合わせて料理を作ります。一方、セントラルキッチンでは、あらかじめ決められた量の料理や食材をまとめて準備するのが特徴です。
同じ調理の仕事でも、働く場所や1日の動き方は異なります。就職先を探すときは、どちらの働き方が自分に合いそうか考えてみましょう。
セントラルキッチン・サテライトキッチン・食品工場の違い
セントラルキッチンと間違えやすい施設に、以下の2つがあります。
- サテライトキッチン
- 食品工場
サテライトキッチンは、セントラルキッチンから届いた料理を再加熱したり盛り付けたりして、食べられる状態に仕上げる厨房です。
簡単にいえば、料理や食材をまとめて作るのがセントラルキッチン、届いたものを仕上げて提供するのがサテライトキッチンになります。
一方、セントラルキッチンと食品工場には、法律上の明確な線引きがあるわけではありません。
セントラルキッチンも食品工場の一種として扱われることがあり、スーパーで販売する惣菜やデザートを製造しているケースもあります。
一般的には、自社の店舗や系列施設に料理・食材を届ける役割を持つ施設が「セントラルキッチン」と呼ばれます。
ただし、企業によって呼び方や担当する仕事は異なる点は覚えておきましょう。
求人票に「食品工場」「製造工場」と書かれていても、実際の仕事内容がセントラルキッチンに近い場合があるため、施設名だけで判断しないことが大切です。
セントラルキッチンの仕組み|食材が料理になり店舗へ届くまで

セントラルキッチンがどのような場所なのかを知るには、食材が届いてから、料理や加工した食材を店舗へ送り出すまでの流れを見るとわかりやすくなります。
ここでは、セントラルキッチンで行う作業と、料理を受け取った店舗で行う作業に分けて紹介します。
セントラルキッチンが担当する工程
セントラルキッチンでは、届いた食材の確認から、料理や加工した食材を出荷する準備までを行います。
代表的な作業の流れは次のとおりです。
- 届いた食材の量や状態を確認する
- 食材を洗い、カットや計量などの下準備をする
- 必要に応じて加熱し、味付けをする
- 料理を冷却・冷凍して保存する
- 店舗や施設ごとに分けて送り出す
セントラルキッチンでは、調理した料理をその場ですぐお客様に出すとは限りません。別の店舗や施設へ安全に運べるように、冷却・冷凍したり、容器に詰めたりする作業も必要です。
ただし、すべてのセントラルキッチンが同じ流れで作業するわけではありません。食材の下処理だけを行う施設や、調理した料理を冷却せずに運ぶ施設もあります。
大規模な施設では、以下のように工程ごとに担当を分けて作業することもよくある方法です。
- 野菜をカットする
- 大きな釜や機械で料理を加熱する
- 加熱が終わった料理を冷却機に入れる
- できあがった料理を容器に詰める
- 店舗ごとに仕分ける
一人で料理を最初から最後まで作るのではなく、担当者から担当者へ食材や料理を渡しながら完成させていくイメージです。
どこまでを一人で担当するかは、施設の規模や仕事内容によって異なります。
店舗が担当する工程
店舗では、セントラルキッチンから届いた料理や食材を解凍・加熱し、盛り付けてお客様に提供します。
そのため、セントラルキッチン方式を採用している店舗では、野菜を切ったり、ソースを一から作ったりする作業が少なくなります。
その代わり、届いた料理を決められた方法で仕上げ、同じ味や見た目で提供することが欠かせません。
料理が常温・冷蔵・冷凍のどの状態で届くかによっても、店舗で行う作業は変わります。
セントラルキッチンが使われている業態の例|外食チェーン・給食・中食

セントラルキッチンは、飲食店だけでなく、学校や病院の給食、持ち帰り用の弁当・惣菜づくりにも使われています。
代表的な業態は次の3つです。
- ファミリーレストランや寿司店、ラーメン店などの外食チェーン
- 学校や病院、福祉施設などの給食
- コンビニやスーパーで販売される弁当・惣菜などの中食
「中食(なかしょく)」とは、調理済みの料理を購入し、自宅や職場などで食べる食事を指します。飲食店で食べる「外食」と、家庭で調理して食べる「内食(ないしょく)」の間に位置することから、このように呼ばれるようになりました。
外食チェーンのセントラルキッチンでは、店舗で使う野菜や肉の下処理、ソースの製造などをまとめて行います。例えば、すかいらーくグループでは、食材の加工や自社製ソースの製造などを自社工場で行っています。
中食では、スーパーなどの店舗で販売する惣菜やデザートをまとめて製造するのが一般的です。成城石井でも、自家製の惣菜やデザートなどをセントラルキッチンで作っています。
学校や病院などの給食では、給食センターや共同調理場で複数の施設分を調理し、各施設へ届ける方式があります。これも、1か所でまとめて調理するセントラルキッチン方式の一つです。
学校給食の現場で働く方法については、以下の記事で詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてください。

セントラルキッチンの主な仕事内容

セントラルキッチンの仕事は、大量の料理や食材を決められた手順に沿って準備することです。
主な仕事内容には、以下のようなものがあります。
- 野菜のカットや肉の下ごしらえをする
- 大きな釜や調理機械を使って加熱する
- できあがった料理を容器に盛り付ける
- 分量・見た目・温度に問題がないか確認する
- 店舗や施設ごとに仕分ける
- 配送に向けて出荷の準備をする
施設によっては、同じ時間帯に複数の作業が進みます。それぞれの担当者が協力し、決められた時間までに必要な量を完成させるのが特徴です。
作業手順が決められていて、未経験から応募できる求人もあります。一つの作業から覚えられる職場なら、調理経験が少ない人でも仕事を始めやすいでしょう。
新卒でセントラルキッチンの仕事に興味のある方は、実際に「エフラボ」で掲載されている求人情報をチェックしてみてください。
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セントラルキッチンは「きつい」?働くデメリット

セントラルキッチンについて調べると、「きつい」という言葉を目にして不安になる人もいるでしょう。
ここでは、就職してから「思っていた仕事と違った」とならないように、働く前に知っておきたいデメリットを紹介します。
同じ作業の繰り返しになりやすい
セントラルキッチンでは、工程ごとに担当を分けることがあります。施設や配属先によっては、一日中同じ作業を繰り返すことも少なくありません。
例えば、野菜を切り続けたり、できあがった料理を容器に詰め続けたりする仕事です。立ち仕事が中心になりやすく、早朝から作業が始まる職場もあります。
さまざまな料理を一から作りたい人は、単調に感じるかもしれません。
一方で、お客様への接客が少なく、目の前の作業に集中しやすい仕事でもあります。
決められた作業を正確に進めることや、黙々と手を動かすことが好きな人には向いているでしょう。
店舗のように一から調理する機会は少ない
店舗のように、一皿の料理を最初から最後まで自分で仕上げる機会が少ないことも、人によってはデメリットです。
決められたレシピや手順に沿って作るため、自分で味付けを考えたり、盛り付けを工夫したりできる場面は限られます。自分のアイデアで料理を作りたい人は、物足りなさを感じることもあるでしょう。
ただし、セントラルキッチンで調理技術が身につかないわけではありません。
何百食もの料理を時間どおりに仕上げる段取りや、大量の食材を安全に扱うための温度・時間管理など、店舗とは違った技術を学べます。
あえてセントラルキッチンを持たず、店舗で一から調理する方針の会社もあります。どのような調理を経験したいのか考えながら、求人票や企業の公式サイトを確認しましょう。
セントラルキッチンで働くメリット

セントラルキッチンには大変な面がある一方で、店舗勤務では得にくい経験や働きやすさもあります。
勤務時間が一定で生活リズムを整えやすい
セントラルキッチンには、作業時間や配送時間があらかじめ決まっている職場があります。
店舗のように、お客様の来店状況によって忙しさが大きく変わる仕事とは異なり、1日に作る量や出荷時間に合わせて作業を進める流れです。
ただし、すべてのセントラルキッチンが日中だけ稼働しているわけではありません。早朝勤務や夜間勤務、交替制を取り入れている施設もあります。
生活リズムを重視したい人は、「セントラルキッチンだから働きやすそう」と判断するのではなく、実際の勤務時間やシフトを求人票で確認しましょう。
勤務時間が自分の希望と合えば、飲食業界で働きながら、一定の生活リズムを保ちやすくなります。
大量調理の段取りと衛生管理が身につく
セントラルキッチンでは、店舗で少量の料理を作る場合とは違った技術が身につきます。
具体的には、以下のような技術です。
- 何百食もの料理を時間内に完成させる段取り
- 加熱や冷却の温度・時間を正しく管理する力
- 大量の食材を安全に扱うための衛生管理
少量なら簡単にできる作業でも、何百食、何千食となると、作る順番や時間の使い方が重要になります。自分の担当だけでなく、前後の工程を意識して動く力も必要です。
どこまで経験できるかは、施設や配属される工程によって異なります。衛生管理や品質管理まで学びたい人は、応募前に仕事内容や将来担当できる仕事を確認しておきましょう。
セントラルキッチンで経験する大量調理や衛生管理は、給食や産業給食、食品メーカーなどでも活かせます。
企業によっては、経験を積んだあとに工程管理、品質管理、商品開発などへ進める可能性もあります。
将来も食に関わる仕事を続けたい人は、その会社でどのようなキャリアを選べるのかも見ておくとよいでしょう。

未経験からでも工程を分担して始めやすい
セントラルキッチンには、調理経験がなくても応募できる求人があります。
工程ごとに担当が分かれ、作業手順が決められている職場では、一つの持ち場から仕事を覚えることが可能です。
最初から料理をすべて作るのではなく、食材のカットや盛り付けなどから始め、少しずつ担当できる作業を増やしていく職場もあります。
ただし、施設や職種によって、求められる経験や資格が異なる点に注意が必要です。パティシエ職や専門的な調理職などでは、学校で学んだ知識や技術が必要になることもあります。
調理経験は少ないものの、食に関わる仕事に就きたい人にとって、セントラルキッチンは就職先の選択肢の一つになるでしょう。
【新卒向け】セントラルキッチンの正社員求人例

飲食業界専門の新卒求人サイト「エフラボ」に掲載されている調理師・キッチンの求人の中から、セントラルキッチンを持つ企業を3社紹介します。
1. 【髙島屋グループ】株式会社 アール・ティー・コーポレーション
株式会社 アール・ティー・コーポレーションは、株式会社髙島屋が100%出資する総合飲食企業です。
台湾発の「鼎泰豐(ディンタイフォン)」をはじめとする外食事業のほか、社員食堂などの給食事業、新木場や大田のセントラルキッチンを展開しています。
調理職で入社すると、まずはお客様に近い店舗で調理や接客の仕事からスタートします。
外食・給食・製造と複数の事業があるため、さまざまな形で食に関わる仕事を知れる会社です。
2. 株式会社大和フーズ
株式会社大和フーズは、牛肉をメインにした飲食店を千葉県で展開する企業です。
経営母体は大正時代創業の精肉卸で、契約農場から、そのときに状態のよい黒毛和牛の雌牛を仕入れています。2013年の創業以降、直営店に加えて、セントラルキッチンや宅配弁当も運営してきました。
新卒の調理職は、各店舗のキッチン業務を担当します。店舗にはカットなどの加工が済んだ食材が届くため、解凍や盛り付け、アルバイトスタッフへの指示などが仕事の中心です。
セントラルキッチンで食材を準備し、店舗で仕上げて提供する流れを取り入れている企業といえます。
3. アイビーカンパニー株式会社
アイビーカンパニー株式会社は、「アフタヌーンティー・ティールーム」や「キハチ」を展開する企業です。
パティシエ・パティシエール職は、東大島セントラルキッチンに配属されます。各ブランドの店舗で提供する生菓子や焼き菓子を作る仕事です。
担当するのは、材料の発注・管理、仕込み、焼成、カット、仕上げなどです。
製菓の技術だけでなく、大きなキッチンで作業を進めるための段取りや、周囲と協力して仕事を進める力も身につけられます。
ここで紹介した以外にも、「エフラボ」では新卒向けの求人情報を多数掲載しています。仕事内容などを比較しながら、自分に合った職場を探してみてください。
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まとめ

セントラルキッチンは、複数の店舗や施設で使う料理・食材を1ヶ所でまとめて準備する施設です。食材の下処理や加熱、冷却、仕分けなどを担当します。
同じ作業を繰り返すことが多い一方で、大量調理の段取りや衛生管理を学べる点は大きな魅力です。接客よりも調理作業に集中し、多くの人の食事を裏側から支えたい人に向いています。
求人を選ぶときは、実際の配属先や担当する工程、勤務時間まで確認しましょう。
飲食業界専門の新卒求人サイト「エフラボ」では、調理を行える仕事を多数掲載しています。さまざまな企業を見比べながら、自分に合った環境を探してみましょう。

