管理栄養士は栄養士法と呼ばれる法律に定められた国家資格で、独占業務もあります。就職活動を進めるにあたって、管理栄養士にしかできないことはあるのか知りたい方もいるでしょう。管理栄養士は指導対象者や業務内容の幅が広く、さまざまな業界で活躍できます。
今回は、管理栄養士にしかできないことを解説します。主な仕事内容や栄養士との違いもまとめているので、管理栄養士の資格を活かしたい方は参考にしてください。
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管理栄養士にしかできないこと

管理栄養士には、資格を取得していなければできないことがあります。管理栄養士にしかできないことは、以下の3つです。
- 患者さんやスポーツ選手に対する個別の栄養指導
- 栄養ケアマネジメントに基づく栄養管理
- 病院など特定給食施設における管理栄養士の配置義務
ここでは、管理栄養士の資格を保有しているためできる業務について解説します。
患者さんやスポーツ選手に対する個別の栄養指導
管理栄養士は指導対象の幅が広く、患者さんやスポーツ選手への栄養指導が可能です。患者さんに対する専門的な栄養指導は、管理栄養士が担う業務の1つです。
医療における栄養指導には、高度な専門知識や技術が求められます。また、スポーツの現場やスポーツ選手の栄養指導が可能となる公認スポーツ栄養士を取得するためには、管理栄養士の資格を持っていることが必須条件です。
患者さんやスポーツ選手など多くの人を対象にした栄養指導は、管理栄養士にしかできないことです。
栄養ケアマネジメントに基づく栄養管理
栄養ケアマネジメントとは、利用者一人ひとりに最適な栄養ケアを提供する体制のことです。一般的に、介護施設では入所時に栄養スクリーニングを実施し、栄養アセスメントの結果をもとに栄養計画を作成します。
栄養ケアマネジメントは、管理栄養士を中心に、医師・看護師・介護職などの多職種が連携して実施される点が特徴です。栄養管理の主な業務は、以下の通りです。
- 適切な食事の提供
- 栄養相談
- 栄養状態のモニタリング
また、栄養ケア計画の作成や加算・記録などがかかわる専門業務は、管理栄養士が中心となって行います。
病院など特定給食施設における管理栄養士の配置義務
病院など特定給食施設もしくは一定規模の施設には、管理栄養士の配置が義務付けられています。つまり、資格を保有している人が必要になるため、管理栄養士にしかできないことです。
特定給食施設とは、健康増進法20条第1項に定義されている継続的に1回100食以上または1日250食以上の食事を供給する施設をいいます。
特定給食施設には、以下の施設が挙げられます。
- 一般給食センター
- 病院
- 学校
- 老人福祉施設
- 児童福祉施設
- 介護老人保健施設
特定の施設で活躍できるのは、管理栄養士の資格を保有する特権です。
参照:厚生労働省|2 栄養関係
参照:厚生労働省|特定給食施設における栄養管理に関する指導・支援等について
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管理栄養士と栄養士の違い

管理栄養士と栄養士は、いずれも食と栄養に関わる専門家です。しかし、双方には以下の違いがあります。
| 管理栄養士 | 栄養士 | |
|---|---|---|
| 免許権者 | 厚生労働大臣 | 都道府県知事 |
| 業務の対象者 | 健康な人傷病者高齢者 | 健康な人 |
| 業務内容 | 傷病者に対する栄養指導特定保健指導施設などで特定多数の人に対する給食管理・栄養指導給食などの食事の計画・調理・提供食や健康に関する指導 | 給食などの食事の計画・調理・提供食や健康に関する指導 |
| 資格取得のプロセス | 管理栄養士養成施設でカリキュラムを学び、国家試験に合格後、資格を取得 | 栄養士養成施設を卒業後、資格を取得 |
つまり、管理栄養士には栄養学以外にも幅広い知識が必要で、資格取得の難易度も高いといえます。栄養や食に関する幅広い業務を行いたい場合は、管理栄養士がおすすめです。
管理栄養士の仕事内容

管理栄養士の仕事内容は幅広く、さまざまな業界で活躍できます。ここでは、管理栄養士の代表的な仕事内容を5つ解説します。管理栄養士の仕事内容を踏まえた上で、就職先を検討したい方は参考にしてください。
栄養指導
栄養指導とは、患者さんや利用者への食事アドバイスや生活改善支援です。管理栄養士は、専門的な知識をもとに食事や栄養に関する指導を行います。主に、個々に適した食事療法や献立など、体質改善を目指したアドバイスをします。
具体的な指導内容は、以下の通りです。
- 食事内容・量
- 食材の選定
- 調理法
対象者は健康な人だけでなく、糖尿病や腎臓病などの疾患を持っている方です。また、管理栄養士はスポーツ分野でも活躍可能で、体重管理や体組成の改善のための栄養指導や、パフォーマンス向上のための栄養戦略の立案を行います。
管理栄養士の就職先について詳しく知りたい方は、「管理栄養士の就職先は?働く場所の選び方や新卒向けの求人例も紹介」をご覧ください。
栄養管理
管理栄養士は、栄養状態の評価や継続的な管理、改善などを行います。栄養管理プロセスを活用して、対象者の栄養状態を診断します。
栄養管理プロセスの流れは、以下の通りです。
- 栄養アセスメント(栄養状態の評価)
- 栄養診断(栄養状態の判定)
- 栄養介入(栄養計画と実施)
- 栄養モニタリングと評価
栄養管理は、医療機関や福祉施設、スポーツ関連施設など幅広い職場で行われる業務です。つまり、管理栄養士の業務には栄養指導だけでなく、状態の把握や継続的なモニタリングも含まれます。
給食管理
給食管理とは、給食を利用する人の健康保持や増進を担う業務です。専門的な知識を活かして、給食の品質を管理します。具体的な業務内容は、以下の通りです。
- 栄養バランスを考えた献立作成
- 食材の発注
- 調理スタッフへの指導
- 個別食への対応
- 栄養管理
給食は学校だけでなく、医療機関や介護施設などさまざまな場所で提供されており、利用者にあわせた献立や調理法が求められます。また、給食管理の業務内容は衛生管理も含まれているため、衛生的な調理環境を整える役割を担っています。
食育活動
管理栄養士の仕事内容には、子どもや保護者へ食事の大切さや食に関する正しい知識の指導も含まれています。食育の目的は、子どもや保護者が健康的な食習慣と知識を正しく身につけることです。
食材や料理に興味・関心が高まるよう、伝える力が求められています。食育活動は、主に保育施設や学校などで行われます。食の楽しさや大切さを伝えるために、講座やイベントを計画する企画力も管理栄養士には必要です。
商品開発
管理栄養士の知識は、栄養視点での商品設計や開発においても活用できます。商品開発の主な業務内容は、以下の通りです。
- 市場調査・リサーチ
- 機能性食品の企画・開発
- 法規制を踏まえた商品設計の補助
食品開発は主に、食品メーカーでの業務です。自分が研究や開発に携わった商品を通じて、人々の健康増進・食生活の改善に寄与できるため、やりがいがあります。また、食品開発では栄養学の知識だけでなく、食品化学や関連法規などの理解も必要です。
管理栄養士がこれから求められること

超高齢化社会の日本において、管理栄養士の需要は一層高くなります。ここからは、管理栄養士がこれから求められることを3つ解説します。管理栄養士として活躍するために必要なスキルが知りたい方は、参考にしてください。
正しい栄養知識と指導力
管理栄養士は、根拠に基づいた正しい栄養知識と指導力が求められます。インターネットの普及に伴い、サプリメントや栄養食品などの流通が増加しています。
インターネット上には誤った情報も流れており、利用者が正しい知識を持たないまま使用するケースも少なくありません。管理栄養士は情報の真偽を見極め、正しい情報を伝えるスキルが必要です。栄養と食の専門職として正しい知識を伝えるためにも、常に最新の情報へアップデートしましょう。
個別の状態に応じた栄養管理力
管理栄養士は、一人ひとりの状態に応じた栄養管理力がますます求められています。日本では高齢化が進み、低栄養やフレイルのリスクが高まっているためです。フレイルとは、加齢により心身の機能が低下し要介護へ移行しやすくなる状態をいいます。
フレイルの予防には、栄養バランスの良い食生活が重要で、管理栄養士の栄養指導が欠かせません。また、日本ではアレルギー疾患が増えています。
アレルギーについて正しい知識を持ち、個別対応力や安心して給食を食べられるようにする環境作りが重視されています。
参照:厚生労働省|免疫アレルギー疾患研究10か年戦略2030~「見える化」による安心社会の醸成~
医療・介護制度を踏まえた栄養管理の理解
管理栄養士には、今後医療・介護制度を踏まえた栄養管理への理解が一層求められます。日本では、団塊世代が75歳以上の後期高齢者となる超高齢化社会に突入する2025年問題が課題となっています。
管理栄養士の業務には、医療・介護現場の制度に基づいて行われるものがあるため、理解していなければ適切な栄養管理ができません。管理栄養士も診療報酬や介護報酬の制度を理解し、国民が健康的な生活を送れるよう貢献することが求められています。
新卒で管理栄養士として働ける病院の探し方が知りたい方は、「新卒で管理栄養士として働ける病院の探し方9選!職場を見つけるポイントも紹介」をご覧ください。
まとめ

管理栄養士にしかできないことには、傷病者やアスリートに対する個別栄養指導や加算・記録などにかかわる専門業務などが挙げられます。栄養士と比べて仕事内容の幅が広いため、さまざまな業務に挑戦できる点が魅力です。
インターネットの普及や超高齢化社会により、管理栄養士のスキルはさらに求められています。管理栄養士にしかできないことを理解し、自分に合った仕事を見つけましょう。
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