「いつか自分の飲食店を開業したい」という夢を掲げている人にとって、独立までの流れや開業資金の金額は気になるポイントです。
そこで本記事では、飲食店を開業・独立する具体的な流れだけでなく、提出が必要な書類や開業資金の調達方法などをお伝えします。開業資金を節約する方法も解説しているため、自分のお店を構えたい人必見の内容です。
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飲食店の開業・独立をする流れ

飲食店を開業する大まかな流れは、以下のとおりです。
- どのような飲食店にしたいかコンセプトを考える
- コンセプトに基づいた事業計画を立てる
- 候補エリアを探す・足を運ぶ
- 開業資金を調達する
- 店舗の工事や備品の情報を保健所に確認してもらう
- メニューやレシピに応じた材料費・利益率を計算する
- 各種資格取得と申請を済ませる
ここからは、各ステップで何をすべきなのか、順番に解説します。
1.どのような飲食店にしたいかコンセプトを考える
飲食店を開業するにあたって、お店を構えるエリア探しやメニュー決めより先に、どのような飲食店にしたいか、コンセプトを決める必要があります。
コンセプトを先に決めなければ、エリア探しやメニュー決めはもちろん、お店の内装やターゲットにしたい客層などが定まりません。
コンセプトを決める際、フレームワークとして「5W2H」で埋めていくと効率的です。
| フレームワーク | コンセプト |
|---|---|
| 何を(what) | 自家焙煎コーヒーと手作りスイーツが楽しめる小さなカフェ |
| 誰に(who) | 近くの大学に通う学生や、勉強・作業をしたい20代の若者 |
| どこで(where) | 大学から徒歩5分の商店街エリア |
| なぜ(why) | 学生が長時間ゆっくりできるカフェが少ないため |
| いつ(when) | 大学の新学期が始まる4月にオープン |
| どのように(how) | Wi-Fi・コンセントを用意し、静かで落ち着いた空間にする |
| いくらで(how much) | コーヒー400円〜、ケーキセット700〜900円 |
2.コンセプトに基づいた事業計画を立てる
コンセプトを決めたら、次は具体的な事業企画を立てていく段階に入ります。事業計画とは、飲食店を開業してからどのように営業していき、どのように売り上げていくのかを整理する作業です。
コンセプトを決める際のイメージを、より具体的に落とし込む必要があるため、つまずきやすいポイントでもあります。しかし、事業計画は開業資金の調達でも活用するため、客観的な視点で整理しなければいけません。
また、飲食店の開業前に作成した事業計画は、お店がオープンしたあとの目標再設定や改善案の洗い出しでも役立ちます。まずは事業計画書のテンプレートやツールなどを活用して、実際に作ってみましょう。
3.候補エリアを探す・足を運ぶ
コンセプト決めや事業計画書の作成とあわせて、「どこで(where)」でイメージした候補のエリアを確定していく必要もあります。
たとえば、「自分の通っている学校の近くにカフェがないから」が理由の場合、実際その場所でオープンしても問題なさそうなのか、現地調査をします。
現地調査の結果、「学生は学食を使うから」「近くのレストランを利用する人が多い」などの理由から、カフェがない可能性もあるでしょう。
また、テナントとして貸している物件があるのか、ゼロから建てることになるのかなど、施工業者に同行してもらうのもおすすめです。
4.開業資金を調達する
飲食店を開業するエリアが決まったら、初期費用を整理した上で開業資金を調達する段階に入ります。開業資金には、物件や内装工事にかかる費用だけでなく、店内で使う調理器具全般の設備費用や広告費などが必要です。
なお、不動産賃貸業を除いた業界を対象にしたアンケートでも、開業時の資金調達額の平均が1,219万円であることが明らかになっています。
また、金融機関をはじめとした機関からの借り入れは827万円が平均で、自己資金は279万円が平均との結果が出ています。

引用元:日本政策金融公庫総合研究所「2025年新規開業実態調査」
つまり、たとえ小さい飲食店でも、300万円前後の自己資金がある状態で開業しているケースが多いのです。
5.店舗の工事や備品の情報を保健所に確認してもらう
飲食店を開業する際、保健所から営業の許可をもらう必要があるため、お店の工事や備品の情報を整理しておくのがおすすめです。
たとえば、開業したい飲食店のコンセプトに必要な工事や備品が、営業許可の要件を満たさず、余計なコストがかかってしまう可能性があります。
とくに備品であれば買い直しができるものの、内装工事をはじめたあとに「許可が出なかった」となると、膨大な工事費が追加されてしまいます。
オープン時期を逆算して内装工事を着工していた場合、オープン時期の遅れも生じてしまうため、営業許可の事前確認が必須です。施工業者に内装工事の図面を出してもらった資料をもとに、保健所で要件を満たしているか聞いてみましょう。
6.メニューやレシピに応じた材料費・利益率を計算する
内装工事や備品を準備している期間と同時に、メニューやレシピをもとに材料費や利益率を計算し、より具体的なシミュレーションをする段階に入ります。
たとえば、カフェで提供するドリンクも、コーヒー1つでも種類によって原材料費が異なります。セットメニューとしてケーキのような食べ物も提供する場合も含め、信頼できる仕入れ先の選定も必要です。
提供したいメニューに応じた材料費を洗い出し、お客さまに提供する価格を設定した上で利益率を計算する作業は、事業計画で決めたことが活かされます。
メニュー表やショップカードなど、紙媒体でも用意したい備品がある場合、並行して作成していくと開業前の宣伝に活用できます。
7.各種資格取得と申請を済ませる
飲食店を実際に開業する際、各種資格の取得や申請を済ませておかなければいけません。
開業するお店の規模や従業員の有無などによって必要な書類は異なるものの、以下がその一例になります。
| 手続き・申請名 | 提出先 | 提出が必要になる条件 | 提出期限の目安 |
|---|---|---|---|
| 飲食店営業許可申請 | 保健所 | 飲食店を営業する場合は必須 | オープン予定日の10日前まで(店舗完成前後に申請) |
| 防火管理者選任届 | 消防署 | 収容人数が30人以上の店舗 | 選任後すみやかに |
| 防火対象物使用開始届 | 消防署 | 店舗として建物を使用する場合 | 営業開始から1カ月以内 |
| 防火対象物工事等計画届 | 消防署 | 用途変更や内装工事を伴う場合(居抜き含む) | 工事開始の7日前まで |
| 火を使用する設備等の設置届 | 消防署 | ガスコンロなど火を使う設備を設置する場合 | 使用開始の7日前まで |
| 個人事業の開業届 | 税務署 | 個人事業として開業する場合 | 開業から1カ月以内 |
| 青色申告承認申請書 | 税務署 | 青色申告を利用する場合 | 開業から2カ月以内、またはその年の3月15日まで |
飲食店を開業・独立するために必要なスキル

飲食店を開業・独立する際、以下のようなスキルが備わっていないと、オープン後につまずいてしまう可能性があります。
- 経営に関する知識や能力
- メニューを開発するための探究心
- 人に教えられるくらいの調理能力
自分のお店をオープンしてからも、安定的に経営できる基盤を整えるためにも、順番にスキルセットできるよう解説していきます。
経営に関する知識や能力
飲食店を開業する場合、お店のオーナーという立場になるため、経営に関する知識や能力が必須です。
たとえば、飲食店の厨房もしくはホール接客をする仕事をしているアルバイト勤務の場合、調理スキルまたは接客スキルが必要です。
しかし、飲食店の経営にかかわる分野は、本社の担当部署が担っているケースが多く、現場では見えないところで経営戦略を立てています。つまり、いくら飲食店での勤務経験があったとしても、経営に関する分野は別になってしまうのです。
まずは小さい飲食店を開業したい場合、近場や身内で独立している人がいないかを調べ、体験談を聞いておくと再現性のある経営スキルが身につきます。
メニューを開発するための探究心
飲食店を開業する際、競合店舗との差別化を図るためにも、メニューを開発する探究心が欠かせません。
小さいカフェを開業したい場合、ただ単に「コーヒー」と書くのか、メニュー名に工夫を施すのかで、お客さまからのイメージは異なるでしょう。
また、原価高騰が問題視されている昨今において、材料の質と仕入れ価格の調整、提供価格の設定などで悩みを抱えているオーナーも多いのが実情です。
つまり、メニューを開発する上では、何を提供するのかだけでなく、どう提供するのかも含め、競合店舗との差別化を図れるかが重要なのです。
新しいメニューを開発する際も「真似をされた」とトラブルが起きないよう、念入りな調査をした上でメニュー化していく必要があります。
人に教えられるくらいの調理能力
最初は小さい飲食店の開業でも、お店の売上次第では従業員を雇い入れ、適切な指導ができるような調理能力も必要です。
たとえば、調理師免許を取得している人を雇い入れるにしても、人によって勤めてきたお店の業態や得意分野などは異なります。また、業界知識や経験年数などにも、オーナーとの差が生じやすいため、自分がいなくても安心して営業できるような体制づくりが欠かせません。
「自分がいなければ、この料理は提供できない」という事態を防ぐためにも、従業員を指導するマネジメント能力が必要なのです。
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飲食店の開業・独立でよくある質問

開業資金を節約する方法は?
平均1,000万円前後かかる開業資金を少しでも節約したい場合、お店を建てるのに発生する物件費用や工事費を抑えるのが節約のコツです。
たとえば、テナントを借りることになる「居抜き物件」と、コンクリートむき出しで残された「スケルトン物件」では、最終的なコストが異なります。
居抜き物件であれば、テナント次第にはなるものの、厨房機器や空調機器などが残されており、そのまま使える可能性があります。
一方でスケルトン物件の場合、コンクリートむき出しの骨組みだけなため、工事の長期化や高額請求になりやすいのが難点です。つまり、開業資金を節約したい場合は、最初から理想を追うのではなく、低コストになりやすい居抜き物件の検討がおすすめなのです。
補助金や助成金は活用できる?
開業資金の調達だけでなく、オープン後の経営を支えるためにも、補助金や助成金の活用も視野に入れましょう。
補助金や助成金は、申請に時間がかかる一方で、小さい飲食店であっても経営を支援する制度として幅広い業界で活用されています。
たとえば「小規模事業者持続化補助金」は、販路開拓に取り組む小規模事業者向けに、補助上限50万円で支援しています。
また、ITツールを導入した生産性向上も視野にしたい場合、「デジタル化・AI導入補助金」も活用できるのです。いずれの制度も、期限や条件などが定められているため、余裕を持って調べておきましょう。
働きながら独立を目指す方法は?
働きながら独立を目指したい人は、「独立支援制度」を採用している飲食店で働くことをおすすめします。
独立支援制度を採用している飲食店の多くは、「いつか自分の飲食店を開業したい」と考える人をサポートしています。具体的には、資金調達や経営・運営のノウハウ・物件選びのポイントなどを支援している制度です。
「いつかは独立したいと思っている人を、企業は採用してくれないのでは」と考える必要はありません。
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まとめ

本記事では、飲食店を開業したいと考えている人に向け、具体的な流れや開業資金の節約方法などを解説しました。飲食店を開業する際、調理スキルだけでは不十分です。
開業したいお店のコンセプトを決め、第三者が納得するほどの事業計画を作成し、コンセプトにあった内装・メニューにしていく必要があります。
「飲食店で勤めたことはあるけれど、経営には自信がない」場合、独立支援制度を採用している飲食店で働くことを視野に入れていきましょう。
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