パティシエとしてのキャリアを考えている方にとって、初任給がどのくらいなのかは気になるポイントです。
本記事では、パティシエの初任給を徹底解説するために、学歴や資格がどのように影響するか、またアルバイトと正社員での違いを詳しく紹介します。
さらに、勤務先によって異なる初任給の実態や年収を上げるための具体的な方法もお伝えします。
まずは現実的な初任給の情報を知り、どのようにキャリアを積んでいくか、本記事を通じて想像できるよう参考にしてください。
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パティシエとして働きたい方は、ぜひ自分に合った職場を探してみてください。
パティシエの初任給について

パティシエの初任給は、勤務先の規模やスキルの有無によって異なります。
まずはパティシエの初任給平均から解説し、学歴や資格、雇用形態の違いについてお伝えしていきます。
パティシエの初任給の平均額は?
パティシエの初任給平均は、21万円程度が2025年時点の平均額です(※1)。
本データは、求人ボックス内に掲載された求人情報をもとに算出された結果です。
パティシエは、経験の積み重ねがスキルを示す技術職の1つですが、ほかの技術職よりは初任給が低めになっています。
たとえば技術職の中でも比較的高収入と言われているITエンジニアの初任給は、22万円が平均額です(※2)。
パティシエとITエンジニアは同じ技術職であっても、何を扱うかによって初任給の平均額が異なります。
また、パティシエの仕事は地域によっても初任給の平均額に差があります。
| 地域 | 初任給 |
| 都市部 | 比較的高め |
| 地方 | 低め |
パティシエの初任給に地域差があるのは、生活水準が影響しているケースが多いため、パティシエとして勤めたい職場周辺の家賃を調べるのも1つの手段です。
※1 参考:求人ボックス「パティシエの仕事の年収・時給・給料」
※2 参考:求人ボックス「ITエンジニアの仕事の年収・時給・給料」
学歴や資格は初任給に影響する?
パティシエの仕事は、学歴や資格の有無によって直接的に初任給に影響しません。
また、パティシエが取得しておきたい資格である「製菓衛生師(※1)」や「菓子製造技能士(※2)」が挙げられますが、取得は必須ではありません。
しかし、製菓専門学校を卒業していると、一定の知識を示せるため、初任給は20万円程度が平均になります。
一方でパティシエに関する学歴や資格がない未経験者は、20万円を下回る可能性が高いだけでなく、勤めてから学ぶことが多くなってしまいます。
なお、製菓衛生師や菓子製造技能士は、いずれも国家資格ですが製菓専門学校の卒業をしていると、卒業後に菓子製造技能士2級はすぐに受験可能です。
初任給自体に影響がほとんどないパティシエの仕事であっても、今後のキャリアに影響するため、資格を保有しておくのがおすすめです。
※1 参考:厚生労働省「製菓衛生師の概要」
※2 参考:日本菓子教育センター「菓子製造技能士」
パティシエの初任給はアルバイトと正社員で異なる
パティシエはアルバイトと正社員とで、初任給に大きな差があります。
求人ボックスが2025年4月22日に更新した求人統計データによると、以下のような収入差があることが明らかになっています。

上記の通り、アルバイトと派遣社員とを比較しても、時給が300円以上の差があると明らかにされました。
なお、正社員の収入を賞与なしと仮定し、月給で換算すると約32万円になります。
アルバイトの場合、月に160時間就業しても月給は約17万円なので、収入の差が大きいのが実情です。
パティシエの仕事がアルバイトと正社員とで異なるのは、企業が採用する際の基準が関係しているのでしょう。
多くの場合、正社員は長期間の雇用を前提としているため、採用基準を厳しく設定しています。
つまり、厳しい採用基準に達した人材であればあるほど、パティシエとしての初任給に影響しているのです。
勤務先別のパティシエの初任給

ここからはパティシエとして働きたいと考える方に向け、勤務先で異なる初任給の違いを紹介します。
今回取り上げる勤務先は、以下の通りです。
- パティスリー(洋菓子店)
- ホテルやレストラン
- お菓子メーカー・製菓工場
それぞれ勤務先で異なるパティシエの初任給を順番に紹介していきます。
パティスリー(洋菓子店)
パティスリーで働くパティシエの初任給は、21万円程度です。
洋菓子の1つであるケーキ屋の求人統計データでは、以下のような収入データになります。

上記の通り、パティシエの初任給平均額と大差がない傾向です。
しかしパティスリーで働くパティシエは、勤務先の地域性や店舗規模、オーナーの方針によって初任給が異なるケースもあります。
とくに大都市の高級店では、技術力や接客力に優れた人材を求めるため、初任給が比較的高く設定されます。
一方で地方の小規模なパティスリーでは、初任給が控えめになる場合があるのが特徴です。
また、パティスリーはクリスマスのようなイベント時期は繁忙期になるため、残業手当や繁忙期手当が給与に上乗せされます。
パティシエとしてパティスリーに勤務したい方は、初任給だけでなく繁忙期の平均残業時間を調べておきましょう。
ホテルやレストラン
ホテルやレストランで働くパティシエの初任給は、新卒が対象なら20万円前後が平均額になります。
一方で、パティシエとしての勤務経験があり、かつ高級店に位置付けられている店舗だと高い給与になる傾向にあります。
たとえばフレンチレストランでも、アルバイトで時給1,200〜1,500円、正社員で月給28万〜34万円のように、幅広く設定されています。
しかし、初任給の設定が高めの求人は「飲食経験が3年以上ある方」と条件が定められているケースもあるため、卒業後すぐの勤務は断られるでしょう。
ホテルやレストランの場合、顧客層が高級志向であるケースが多く、提供されるサービスや商品に対して高いクオリティが求められます。
イベントがある時期のホテルはとくに、終電を考慮するような時間帯まで残業が発生する可能性が高いため、体力に自信がある方向けの勤務先になります。
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お菓子メーカー・製菓工場
お菓子メーカーや製菓工場で働くパティシエの初任給は、20万円程度です。
お菓子メーカー・製菓工場での仕事は、効率的な生産ラインに参加しながら、特定の製品に対する専門知識を身につけられます。
とくに大手お菓子メーカー・製菓工場での経験がキャリアアップに直結するケースが多いため、初任給以上の価値を提供しているのが特徴です。
実際、パティシエの実務経験を積んでいけば、お菓子メーカー・製菓工場の幹部候補として採用してもらえる可能性もあります。
パティシエとしての実務経験を積んでいき、お菓子メーカー・製菓工場で身につけた専門知識を活かしやすいのが特徴です。
初任給以外にも付加価値があるお菓子メーカー・製菓工場で、どれだけのキャリアステップが見込まれるのか、求人票や会社情報を見ておきましょう。
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パティシエが年収を上げる方法4つ

パティシエとして初任給が20万円程度で低いと感じる方に向け、将来的に年収を上げるコツを4つ紹介します。
パティシエが年収を上げるには、主に以下の方法が挙げられます。
- スキルアップして給料を上げる
- コンクールなどで入賞・優勝する
- 勤務先を変える
- 独立して開業する
順番に年収を上げるコツを紹介していくので、今後のキャリア形成に役立ててください。
スキルアップして給料を上げる
パティシエとして給料を上げるための効果的な方法の1つはスキルアップに努めることです。
技術の向上は、お客様や雇用主にとっても、大きな価値提供となり、結果として給料アップにつながります。
具体的には、新しい技術やトレンドを取り入れるための研修やセミナーに参加するのが有効です。
また、自分のスキルを客観的に評価するために、ほかのパティシエと共に技術を競い合う場に参加するのもおすすめです。
さらに、製菓関連の資格を取得すると、自分の専門性を証明し、雇用主からの評価を高められます。
つまり、技術力が関係するパティシエは、ほかの従業員より優れた要素を示せるかが給料アップの期待が高まるのです。
コンクールなどで入賞・優勝する
パティシエとしてのスキルや技術を証明する手段として、コンクールへの参加も効果的です。
とくに、国内外の権威あるコンテストで入賞や優勝を果たすと、パティシエの実力を認められる大きなチャンスとなります。
受賞した実績は、個人のプロフィールに大きなインパクトを与え、年収アップにつながる可能性を高めてくれます。
また、コンクールでの入賞・優勝は、パティシエの専門的な技術や創造力が高く評価された証であり、キャリアの大きなステップアップともなるのです。
さらに、受賞を通して著名なパティシエや業界関係者とのネットワークが広がり、新たなビジネスチャンスを掴める可能性もあります。
コンクールで成果を得るためにも、準備段階でテーマに沿った独創的な作品を生み出す力や、限られた時間内での作業効率を高めるスキルが求められます。
勤務先を変える
パティシエとしての年収を上げるための1つの方法として、勤務先を変える選択肢もあります。
勤務先を変えるのは、現在の職場で限界を感じたときや新しいスキルを身につけたいときに効果的です。
まず勤務先を変える際、自分がどのような環境で働きたいのか、どのような目標を持っているのかを明確にするのが重要です。
たとえば、パティスリーでの経験を活かし、ホテルのデザート部門で働き、より洗練された技術を学べる可能性があります。
また、大手の製菓メーカーに転職できれば、大量生産に関する知識や新しい製品開発のチャンスを得られるケースもあるのです。
パティシエとして働きたい方や働く環境を変えたいパティシエの方はとくに、飲食業界専門の新卒求人サイト「エフラボ」を、ぜひ活用してください。
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独立して開業する
パティシエとして独立して開業するのは、人気店になれば年収を上げられます。
しかし、独立して開業するのは単に技術を持っているだけではなく、経営者としてのスキルも求められます。
まず重要なのは、信頼できる仕入先の確保です。
品質の高い材料を安定して供給できるパートナーを見つけるのは、商品クオリティを維持するために欠かせません。
また、店舗の場所は集客に直結するため、ターゲットとする顧客層に合ったエリアを選ぶのが重要です。
さらに、独自性のある商品やサービスを提供するのが、競争の激しい市場での差別化につながります。
SNSやWebサイトを活用したプロモーション活動を通して、新規顧客の獲得に努める必要もあります。
開業資金に通常、1,000万円以上かかるケースもあるため、計画性も重要です。
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パティシエになるためにはどうしたら良い?

パティシエになるには、学歴や資格の有無が問われないケースもありますが、早くキャリアを形成したい方は以下のステップで進むのがおすすめです。
- 専門学校に通う
- 洋菓子店で働きながら修行する
具体的に何をしていくのか、パティシエを目指す方に向けて詳しく解説していきます。
専門学校に通う
パティシエを目指す上で、専門学校に通うのは有効な選択肢です。
専門学校では、製菓の基礎から応用までを体系的に学べるため、実践的な技術を磨く機会が豊富に用意されています。
カリキュラムでは、基本的な生地の作り方やデコレーション技術、材料の選び方など、基礎的な内容から製菓理論に基づいた応用的な技術が学べます。
また、専門学校では現場で活躍するプロの講師から直接指導を受けられるため、即戦力となる技術を身につけたい方におすすめです。
さらに、専門学校ではインターンシップ制度を利用して、実際のパティスリーやホテルでの実習経験を積めます。
多くの専門学校では、就職サポートも充実しており、卒業後の進路についても手厚い支援を受けられます。
洋菓子店で働きながら修行する
洋菓子店で働きながらパティシエとしてのスキルを磨くのは、実践的な経験を積めるため、効果的な方法の1つとなります。
実際の職場環境では、学校では学べない現場のスピード感やコミュニケーション能力、チームワークの大切さを直接体感できます。
また、日々の業務を通じて洋菓子の製造工程や材料の扱い方、道具の使い方を学べるため、即戦力としての力を身につけられるのが魅力です。
さらに、顧客の反応を見ながら商品開発にかかわれる機会もあり、自らの創意工夫が試される場ともなります。
経験豊富な先輩パティシエから直接指導を受けられるのも魅力で、技術向上だけでなく、キャリア形成においても視野が広がります。
まとめ

パティシエの初任給について詳しく見てきましたが、平均額は20万円の勤務先が多いため、高くはないと感じた方が多いでしょう。
パティシエとしてのキャリアをスタートさせる際、初任給の低さに不安を感じるかもしれません。
しかし、スキルアップや経験を積むと、将来的に収入を増やすチャンスは十分にあります。
パティシエを目指す方は、まず自分の興味や情熱を大切にして、どのような職場で働きたいか、どのようなスキルを伸ばしたいかを考えてみてください。
ぜひ自分に合った方法で経験を積み、理想のキャリアを築いていきましょう。
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