調理師を目指すにあたって、初任給をいくらもらえるのか気になる方もいるでしょう。給料は働く上で重要な要素であり、モチベーションにもつながります。キャリアプランを立てるためにも、調理師の初任給や平均年収を理解しておくことが大切です。
今回は、調理師を目指す方に向けて飲食業界の初任給や平均年収について解説します。給料が高い職場の探し方や年収を上げる方法も紹介するので、調理師として活躍を目指したい方は、ぜひ参考にしてください。
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調理師の初任給平均

飲食業界に特化した求人情報サイト「エフラボ」の調査によると、飲食業界における新卒の平均給料は約24万円です。学歴別に見ると、新卒の平均給与は以下の通りです。
| 学歴 | 平均給料 |
| 四大卒 | 247,949円 |
| 短大卒 | 243,807円 |
| 専門2年生卒 | 242,120円 |
| 専門1年生卒 | 241,192円 |
| 高校卒 | 239,916円 |
平均データからもわかるように、四大卒の平均給料がわずかに高い結果となっています。ただし、当データは飲食業界の新卒平均給料のため、調理師だけでなくホールスタッフなども含まれていることから、目安として参考にしてください。
調理師の年収

調理師の年収は、経験や企業規模、地域などによって異なります。収入アップを目指す方法が知りたい方は、調理師の年収事情を理解しておくことが大切です。
ここでは、調理師の平均年収を5つの項目に分けて解説します。
年齢別
調理師の年収は、年齢が上がるにつれて上昇傾向にあります。「賃金構造基本統計調査」によると、企業規模10人以上の会社を対象とした年齢別平均年収は、以下の通りです。
| 年齢 | 平均給料 | 平均賞与 | 平均年収 |
| 20~24歳 | 21万400円 | 16万2,800円 | 268万7,600円 |
| 25~29歳 | 23万2,000円 | 29万9,200円 | 308万3,200円 |
| 30~34歳 | 23万9,300円 | 31万8,800円 | 319万400円 |
| 35~39歳 | 26万4,100円 | 38万4,400円 | 355万3,600円 |
| 40~44歳 | 26万400円 | 38万4,700円 | 350万9,500円 |
| 45~49歳 | 26万7,200円 | 40万5,500円 | 361万1,900円 |
| 50~54歳 | 27万1,000円 | 42万3,400円 | 367万5,400円 |
| 55~59歳 | 25万7,500円 | 34万3,300円 | 343万3,300円 |
| 60~64歳 | 23万6,300円 | 25万3,100円 | 308万8,700円 |
平均年収は年齢にともない上昇しており、50代でピークをむかえています。ただし、当データには調理師免許を持たない調理師も含まれています。
経験年数
調理師は経験年数とともに、年収が上昇傾向にあります。「賃金構造基本統計調査」によると、企業規模10人以上の会社を対象とした経験別平均年収は、次の結果となっています。
| 経験年数 | 平均給料 | 平均賞与 | 平均年収 |
| 1~4年目 | 22万2,400円 | 28万1,800円 | 295万600円 |
| 5~9年目 | 23万1,500円 | 30万1,200円 | 307万9,200円 |
| 10~14年目 | 24万8,800円 | 33万3,300円 | 331万8,900円 |
| 15年以上 | 27万7,600円 | 42万2,300円 | 375万3,500円 |
調理師の年収は経験年数に応じて上昇していくため、下積みを重ねて技術を身に付けていくことが重要です。
企業の規模別
調理師の平均年収は、企業の規模によっても異なります。「賃金構造基本統計調査」によると、調理師を含む飲食物調理従事者の企業別平均年収は、以下の通りです。
| 企業規模 | 平均月収 | 平均賞与 | 平均年収 |
| 10~99人 | 25万2,500円 | 24万2,800円 | 327万2,800円 |
| 100~999人 | 23万8,400円 | 32万4,900円 | 318万5,700円 |
| 1,000人以上 | 24万9,100円 | 41万円 | 339万9,200円 |
企業規模を比較したところ、1,000人以上の大規模企業は年収が多い傾向にあります。特に、賞与に関しては規模によって差が生じています。
地域別
飲食業界の平均年収は、地域によっても異なります。エフラボの調査より6つのエリアに分けて飲食業界の新卒給料をもとに平均年収の目安をまとめた結果は、以下の通りです。
| 学歴/エリア | 首都圏 | 関西圏 | 中部 | 九州・沖縄 | 北海道・東北 | 中国・四国 |
| 四大卒 | 315.4万円 | 294.0万円 | 290.5万円 | 279.4万円 | 282.5万円 | 286.3万円 |
| 短大卒 | 307.7万円 | 286.8万円 | 284.2万円 | 272.4万円 | 276.2万円 | 280.1万円 |
| 専門2年生 | 305.6万円 | 285.7万円 | 279.6万円 | 270.0万円 | 274.3万円 | 278.2万円 |
| 専門1年生 | 298.7万円 | 278.9万円 | 273.6万円 | 264.5万円 | 268.6万円 | 271.4万円 |
| 高卒 | 293.4万円 | 274.2万円 | 270.0万円 | 261.4万円 | 265.4万円 | 268.7万円 |
地域別に平均年収を調査したところ、首都圏や関西圏、中部は給料が比較的高い傾向にあります。なかでも、首都圏内は四大卒だけでなく、高卒もほかの地域と比べて年収が高いことがわかります。
業態別
業態によっても、調理師の平均年収は以下のように違いが見られます。ただし、賞与や手当て、残業代などを含んでいないため、目安として参考にしてください。
| 業態 | 平均年収 |
| 和食 | 250~360万円 |
| カフェ | 280~300万円 |
| 中華料理 | 280~380万円 |
| フランス料理 | 300万~320万円 |
| イタリア料理 | 250万~320万円 |
業態別で年収を比較すると、フランス料理は年収が高い傾向といえます。フランス料理はソースの製法や食材の下処理など、高い技術が求められ、調理師として独り立ちするまでには長期的な経験が必要です。一人前の人材は希少なため、高収入を得られる可能性があります。
調理師が初任給の高い職場を探すコツ

調理師が納得いく初任給を得るためには、職場選びも重要です。飲食店によっては年収が高く、業界平均以上の給料を得られることが期待できます。
ここでは、初任給の高い可能性のある職場を探すコツを3つ解説するので、参考にしてください。
高級店に就職する
老舗店や高級ホテル、有名レストランの調理師は、ほかの飲食店と比べて初任給が高い場合があります。高級店や有名レストランは提供している料理の単価が高く、年収自体も平均以上の傾向といえるためです。
例えば、高級ホテルや老舗店の場合、前述した飲食業界の平均初任給となる24万円より、平均給与が上回る場合もあります。
高級店は福利厚生も整っているため、給料だけでなく待遇も満足いく可能性が高いことから、納得いく初任給を得られるでしょう。
海外で働く
調理師が初任給の高い職場を探す方法として、海外勤務を選択するのも手段の1つです。欧米諸国と比べて、日本の賃金は低い傾向にあります。
日本と欧米諸国の最低賃金は、以下の通り1,000円以上の差が生じているのが現状です。
| 国 | 最低賃金 | 日本円に換算 |
| 日本(東京) | 1,226円(2025年10月時点) | – |
| アメリカ(ニューヨーク州) | 16.50ドル(2025年1月時点) | 約2,500円(2025年10月時点) |
| イギリス | 12.21ポンド(2025年4月時点) | 約2,400円(2025年10月時点) |
また、海外では健康志向ブームもあり、ラーメンや寿司、和食など日本食の需要が高まっています。日本食ニーズの高さを踏まえると、海外勤務のほうが初任給から納得いく収入を得られる可能性が高いといえます。
参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構|21州が最低賃金を引き上げ(アメリカ:2025年1月)
参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構|最低賃金、2025年4月より時給12.21ポンドに引き上げ(イギリス:2024年11月)
平均年収の高い地域から探す
平均年収の高い地域から探すと、初任給も高い可能性があります。調理師の平均年収は地域によって異なり、なかでも首都圏や関西圏、中部などが高い傾向といえます。
平均年収が高ければ、その分平均給与も増えることから納得いく初任給をもらえる可能性が高いでしょう。また、繁華街の中心部やミシュランガイドに掲載されているお店が集まるエリアなどから、勤務地を絞って探してみるのもおすすめです。
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調理師が年収を上げる方法

調理師は実力が重視されるため、努力次第で年収アップが期待できます。そのため、年収を上げる方法を踏まえた上で、キャリアプランを立てることが大切です。
年収を上げる方法を4つ紹介するので、調理師として活躍したい方はぜひ参考にしてください。
資格を取得する
職場によっては、特定の資格を取得すると資格手当がつく場合があります。手当がつく資格は働く業態によって異なりますが、調理師が持っておくのにおすすめの資格は以下の通りです。
- 食品衛生責任者
- 専門調理師・調理技能士
- ふぐ調理師免許
- 製菓衛生師
調理師として高みを目指したい場合は、実務経験が必要となる専門調理師・調理技能士を検討しましょう。取得により経験と技術を証明できるため、ほかの調理師と差別化を図れます。
昇格する
調理師が年収を上げるためには、ほかの人と差別化できる技術を磨いて昇格を目指すことが大切です。技術や経験が重視される仕事のため、腕を磨くと評価も上がります。
調理師には、以下の技術が求められます。
- レシピを正確に再現した料理を作る技術
- 包丁技術
- メニューの考案技術
- 食材の目利き
- 味覚センス
より年収を上げるためには、技術だけでなく、店舗運営に貢献できるよう人材育成力や売上管理力などのマネジメントスキルも必要になります。
海外で修行する
海外で修行すると料理の質を高められるため、年収アップが期待できます。調理師が海外で経験を積むメリットは、本場の技術と食文化を学べる点です。
海外修業では調理法だけでなく、食材や調味料、調理器具などその国ならではの食文化に触れるチャンスを掴めます。本場の技術は日本で活かしやすく、市場価値を高められるため、キャリアの幅を広げられます。調理師として高みを目指したい場合は、海外での修行も視野に入れるのがおすすめです。
独立する
独立して自分のお店を持つことも、年収を上げるための選択肢です。売上次第で上限なく収入が上がるため、年収1000万円を目指すのも夢ではありません。
とはいえ、独立するためには調理師としての技術はもちろん、マーケティングやマネジメント力も必要です。また、食材を自分で仕入れなければならないため、目利きスキルも重要です。独立は簡単なことではありませんが、自分の努力次第で収入アップが期待できる選択肢となり、やりがいも大きいでしょう。
まとめ

飲食業界における新卒の平均給料は、約24万円です。とはいえ、経験や地域、業態などによっても給料は異なります。初任給が高い職場で働きたい場合は、高級店や海外勤務を検討するのも手段の1つです。
調理師は技術や経験が重視されるため、下積みを重ねて腕を磨くと年収アップが期待できます。初任給や年収事情を把握した上でキャリアプランを立て、調理師として活躍を目指しましょう。
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