「和菓子職人になりたい」「和菓子職人の仕事内容は?」と、和菓子職人の仕事内容が気になっている方もいるでしょう。和菓子職人の仕事は、和菓子を作るだけではありません。店舗によっては接客や販売も担当します。
本記事では、和菓子職人の仕事内容を紹介します。和菓子職人になる方法や持っていると有利な資格も解説しているので、和菓子職人になりたい方はぜひご覧ください。
また、飲食業界専門の新卒求人サイト「エフラボ」では、和菓子屋の求人情報を取り扱っています。和菓子屋をはじめ飲食業界への就職を目指している方は、ぜひご活用ください。
和菓子職人の仕事内容

和菓子職人の仕事内容は、和菓子作りが主な仕事です。ほかにも新商品の開発や和菓子に必要な材料の仕入れも和菓子職人の仕事内容といえます。さらに、勤務先によっては和菓子作りをしながら接客や販売をするケースもあります。
ここでは、和菓子職人の仕事内容を4つ見ていきましょう。
和菓子作り
和菓子職人の中心となる仕事は、和菓子作りです。開店に間に合うよう、早朝から生地を練ったり、餡を炊いたりする仕込み作業から始まり、朝生菓子や季節の上生菓子など、さまざまな和菓子を1つひとつ丁寧に作り上げます。
とくに上生菓子は、季節を表現する繊細な細工が求められるため、高い技術力と集中力が必要です。お客様の注文に応じて、特別な席で使われる祝儀用の菓子やお饅頭、どら焼きなど、幅広い和菓子の製造も担当します。
見た目の美しさだけでなく、味や食感にもこだわり、お客様に感動を与える和菓子を作り続ける点が職人の大きな仕事内容といえます。
接客や販売
和菓子屋によっては、職人が厨房とカウンターを行き来し、接客や販売をするケースもあります。和菓子職人がお客様に直接、和菓子の種類や由来、おいしい食べ方などを説明したり、お客様の好みに合わせて商品をおすすめしたりできるのがメリットです。
お客様との会話から、新しい商品のヒントを得たり、和菓子への感想を直接聞けることで、より和菓子作りに活かしやすくなります。
ただし、勤務先によっては和菓子職人は一切接客や販売を行わないケースもあります。和菓子職人をしながら接客や販売で和菓子の魅力をお客様に伝えたい方は、接客も担当できる店舗での勤務を検討しましょう。
仕入れ
仕入れも和菓子職人の仕事内容の1つです。和菓子職人は、小豆や砂糖、米粉など和菓子作りに使う材料の仕入れが必要不可欠です。ただ注文するだけでなく、材料の品質を自分の目で確かめ、季節や天候によって微妙に変わる材料の特性を見極めながら、最適なものを仕入れなければなりません。
たとえば、小豆一つとっても、産地や収穫年によって風味が変わるため、納得のいくものを選ぶ必要があります。また、コストを意識した仕入れを行うことで店の利益にも貢献します。
新商品の開発
伝統的な和菓子を作り続けるだけでなく、新商品の開発も和菓子職人の重要な仕事です。季節のイベントに合わせた限定品や、若い世代に親しまれるような斬新なアイデアを取り入れた和菓子など、時代やお客様のニーズに合わせた商品を考案しなくてはなりません。
新商品の開発はもちろん、売れ行きがよくない商品のデザインを工夫したり、材料の組み合わせを変更したりなどの対応も必要です。新商品やリニューアル商品がヒットすれば、店の看板商品となり、売上アップにもつながります。
伝統を守りながらも、新しい感性を取り入れるのも現代の和菓子職人に求められるスキルといえます。
和菓子職人の仕事内容は就職先によっても異なる

和菓子職人の仕事内容は、就職する和菓子屋の種類によっても大きく変わります。
たとえば、昔ながらの個人経営の店では、職人が和菓子作りから接客や販売、仕入れまで、あらゆる業務を1人で担当するケースが多い傾向にあります。和菓子屋の経営全体を学びたい人には最適な環境です。
一方、全国展開しているような大手和菓子メーカーでは、和菓子作りが分業化されているケースが多く、特定の工程だけを専門的に担当する場合もあります。百貨店や商業施設内の店舗に就職した場合、販売や接客が主な業務となるケースもあるため、自分の目指すキャリアや興味に合わせて、就職先を慎重に選ぶのが大切です。
和菓子職人の1日の流れ

和菓子職人の1日は午前7時頃からはじまるケースが多い傾向にあります。まずは、前日までに注文された和菓子を製造します。その後、店頭に並べる生菓子を作り、開店準備を行います。午後からは、焼き菓子や羊羹など日持ちするお菓子を製造しながら、翌日の仕込みなども行い、17時頃に仕事を終えます。
なお、見習いの職人は勤務後に和菓子作りの研究を行うケースも少なくありません。店舗によって1日の流れや仕事内容は異なるため、企業説明会などで確認しておきましょう。
和菓子職人の平均年収

和菓子職人の平均年収は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)によると、全国平均で約366.2万円とされています。月給に換算するとおよそ25万円〜30万円程度です。
ただし、平均年収は、地域や経験年数、勤務先の規模によって大きく異なります。例えば、都心部の老舗や有名店、大手和菓子メーカーでは、地方の個人店よりも高い給与水準である傾向が見られます。見習い期間の年収は平均を下回るケースが多いですが、経験を積み、技術が向上するにつれて、着実に昇給していくのが一般的です。
参考:和菓子製造、和菓子職人 – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
和菓子職人になる方法

和菓子職人になるには、製菓系の専門学校で資格を取り、就職するケースがあげられます。ほかにも未経験から就職して現場で技術を積んで、和菓子職人になるケースもあるため、資格が必須なわけではありません。
ここでは、和菓子職人になる方法を2つ紹介します。
製菓系の専門学校から就職する
和菓子職人を目指す上で、多くの方がイメージするのが製菓系の専門学校に進学する方法です。専門学校では、和菓子作りの基礎から応用まで体系的に学べます。材料の知識や道具の使い方、衛生管理など和菓子職人として必要な知識を効率的に習得できるのがメリットです。
また、専門学校では現役の職人から直接指導を受けられる機会が多いのも特徴です。就職活動においても、学校が持っている独自のネットワークを通じて、老舗の和菓子屋や有名店への就職をサポートを受けられます。卒業後すぐに現場で活躍したい人や、体系的に学びたい人にとって、専門学校は最適な選択肢といえます。
未経験から就職して技術を磨く
専門学校に通わなくても、未経験から和菓子屋に就職し、現場で技術を磨いていく方法もあります。和菓子職人と聞くと「専門学校出身の方が多いのでは?」と考える方も少なくありません。
職業情報提供サイト(job tag)の調査によると、実際に働いている人が多いと感じる学歴では高卒が53.3%、大卒が15.9%、専門卒が13.6%となっています。意外にも高卒で未経験から和菓子職人になっている方が多いのです。
専門学校でスキルや知識を学んだ人に比べると、技術習得まで時間はかかりますが、未経験でも和菓子職人になるのは十分可能です。
参考:和菓子製造、和菓子職人 – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
\気になるお仕事を今すぐチェック!/
和菓子職人を目指す方に役立つ資格

和菓子職人になるために必須の資格はありませんが、取得しておくと就職や独立に有利になったり、仕事で役立ったりする資格がいくつかあります。
ここでは、和菓子職人を目指す方におすすめの資格をご紹介します。
製菓衛生師
製菓衛生師は、菓子製造に関する幅広い知識と技術を証明する国家資格です。食品の安全性を確保するための衛生知識や栄養学、食品学など、和菓子職人として欠かせない専門知識を身につけられます。
製菓衛生師を取得する条件は以下のとおりです。
- 厚生労働大臣の指定する製菓衛生師養成施設において、1年以上製菓衛生師として必要な知識及び技能を修得した者
- 中学校を卒業した者で、2年以上お菓子店などで製造の実務(助手や見習い)を経験した者
引用:製菓衛生師になるには
厚生労働大臣が指定している専門学校に通っている方であれば、卒業時には取得できるケースが大半です。一方で、未経験の方は一度和菓子屋や洋菓子店に2年以上勤務しなくてはなりません。
参考:製菓衛生師になるには
菓子製造技能士
菓子製造技能士は、和菓子や洋菓子の製造に関する技能を証明する国家資格です。1級と2級があり、実技試験と学科試験の両方に合格する必要があります。
菓子製造技能士を最短で取得したい方は、製菓系の専門学校に通うのがおすすめです。2級は厚生労働省が指定する専門学校を卒業すると得られます。2級を所持していると、1級受験に必要な6年以上の実務経験が、2年以上に短縮されます。
なお、菓子製造技能士は専門学校に通っていなくても受験可能です。2級は2年以上の実務経験、1級は7年以上の実務経験があれば受験できます。
参考:技能検定制度について |厚生労働省
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、飲食店や食品製造施設で必ず1人配置するよう義務付けられている資格です。食中毒の防止や、施設内の衛生管理を行うための知識を身につけられます。各店舗に1人は必要な資格のため、所持していると就職で有利に働きやすくなります。
また、食品衛生責任者は、講習会を受講するだけで取得できるため、製菓系の専門学校に通っていない人でも比較的簡単に取得できるのも特徴です。
和菓子コーディネーター
和菓子コーディネーターは、食に関する幅広い知識と食空間を演出する企画や提案能力を証明する民間資格です。和菓子職人としては、新商品の開発や、季節感のある和菓子形成、お客様への提案などに活かせます。
また、和菓子コーディネーターは1〜3級まであり、3級はとくに受験資格はありません。2級以上を取得するには、各階級の資格を取得している必要があります。さらに「日本フードライセンス国際協会」の会員であり、「和菓子コーディネーター®BTC資格」の取得が必須です。
参考:和菓子資格(公式)
和菓子ソムリエ
和菓子ソムリエ・和菓子コーディネーターは、和菓子に関する知識を証明する民間資格です。歴史や種類、季節に合わせた選び方、おいしいお茶との組み合わせ方などを学べるのが特徴です。接客や販売の場面で、お客様の好みに合わせた和菓子を提案したり、特別な贈り物のアドバイスをしたりと、接客や販売に必要なコミュニケーションをより豊かにする上で役立ちます。
受験資格は特になく、未経験の方でも受験できます。和菓子の基礎知識や歴史を学べるため、和菓子屋への就職を検討している方は、取得しておくのがおすすめです。
参考:和菓子ソムリエ®資格認定試験 | 日本安全食料料理協会【JSFCA】
まとめ

和菓子職人の仕事内容は、和菓子作りをはじめ、接客や仕入れ、新商品の開発など多岐に渡ります。ただし、店舗によっては和菓子職人はお菓子の製造だけで接客や販売は行わないケースもあるため、就職を検討している方は企業に確認しておきましょう。
また、和菓子職人になるには専門学校卒業が必須のイメージがありますが、高卒や大卒など未経験でも問題ありません。未経験で和菓子屋に就職し、経験を積んで和菓子職人として活躍している方も多くいます。
飲食業界専門の新卒求人サイト「エフラボ」では、和菓子屋の求人情報を多数取り扱っています。和菓子屋をはじめ飲食業界への就職を目指している方は、ぜひご活用ください。

