飲食業界を目指している就活生のなかには、「調理師になるには免許が必要なのか」「調理師免許なしでどこまでの仕事ができるのか」と疑問を持つ方も多いでしょう。飲食業界の仕事の中には、調理師免許がなくてもできる仕事があります。一方で、調理師免許がないとできないこともあるため注意が必要です。
この記事では、調理師免許がないとできないことを解説します。飲食業界の求人例とあわせて、調理師免許がなくてもできる仕事内容をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
飲食業界専門の新卒求人サイト「エフラボ」では、調理師免許がなくても応募できる求人情報を掲載しています。飲食業界への就職を目指している方は、ぜひご活用ください。
調理師免許とは

調理師免許とは、厚生労働省が管轄する国家資格です。調理に関する技術や知識を証明できるため、飲食業界において信頼性が高い資格の一つです。
調理師免許を取得するためには、各都道府県で実施される調理師試験に合格する必要があります。受験するには、原則として調理業務の実務経験が2年以上必要ですが、専門学校を卒業している場合は卒業と同時に調理師免許の取得が可能です。
なお、調理師免許の過去3年間の合格率は、60〜65%で推移しています。
- 令和4年度:61.2%
- 令和5年度:63.8%
- 令和6年度:62.5%
調理師試験は筆記形式で行われ、食品衛生学や公衆衛生学、栄養学など、調理に関する幅広い知識が問われます。調理師として活躍するための基礎力を身につけられる点が、資格を取得する大きなメリットです。
調理師免許がないとできないこと

飲食業界で働くうえで、調理師免許がないとできないことがあります。仕事内容によっては調理師免許がないと応募すらできない場合があるため、事前に理解を深めておきましょう。
ここでは、調理師免許がないとできないことを解説するので、ぜひ参考にしてください。
調理師と名乗れない
調理師免許がないと、「調理師」と名乗れません。調理師免許は名称独占資格であり、免許を持たない人が「調理師」と名乗ることは法律で禁止されています。
履歴書や応募書類、名刺などに「調理師」を記載する行為も違法となります。そのため、調理師として働きたい場合は、必ず調理師免許の取得が必要です。
調理師免許が必須の仕事に就けない
調理師免許がない場合、働くうえで免許が必須とされている仕事には就けません。働く場所や職種によっては、調理師免許がなければ応募すらできない場合があるため注意が必要です。
たとえば、病院や学校の給食センター、企業の社員食堂、特定の飲食店などでは、衛生管理や安全性の観点から調理師免許が必須条件とされています。この場合、求人票には「調理師免許必須」と明記されているため応募時に確認が必要です。
病院や学校の給食センターなど、多くの人に食事を提供する職場を目指す場合は、事前に調理師免許を取得しておくとよいでしょう。
調理の技術や知識を客観的に証明できない
調理師免許がないと、調理の技術や知識を客観的に証明することが難しくなります。
調理師免許は受験資格として実務経験が必要になるほか、食品衛生学や栄養学などの幅広い知識が問われるため、資格そのものが技術や知識の証明になります。
特に、転職時には、免許の有無が信用度や給与の差につながりかねません。調理師としてキャリアを積む場合は、スキルを客観的に証明する重要な手段として免許の取得を目指すとよいでしょう。
調理技術技能評価試験を受験できない
調理師免許がないと、調理技術技能評価試験を受験できません。調理技術技能評価試験の受験には、実務経験のうち少なくとも3年間は調理師免許を保持していることが条件とされているからです。
調理技術技能評価試験に合格すると、「専⾨調理師・調理技能⼠」の称号が与えられるほか、調理師学校の教員資格を取得することも可能です。内容は、すし料理や日本料理、中国料理といった専門分野の実技試験で構成されています。
そのため、調理技術の専門性を高めたり教育者としての道を目指したりする場合は、まず調理師免許を取得しましょう。
参考:公益社団法人調理技術技能センター『調理技術技能評価試験について』
調理師免許なしでどこまでできる?具体的な仕事内容

飲食業界には、調理師免許がなくてもできる仕事が多くあります。調理師免許はあくまで「調理師」としての資格であり、現場での補助業務やサービス業務などは免許がなくても仕事ができます。
調理師免許がなくてもできる主な仕事内容は、以下のとおりです。
- 調理補助(下ごしらえや食材のカット)
- 盛り付け業務
- 配膳や接客
- 食材の在庫管理や発注
- 洗い場業務(食器洗浄)
このように、調理師免許がなくても飲食業界でキャリアをスタートさせられます。また、飲食業界に就職後、現場経験を積みながら必要に応じて調理師免許の取得を目指すことも可能です。
調理師免許なしでどこまでの仕事ができるのかを事前に把握しておくと、就職後のキャリアプランを具体化しやすくなるでしょう。
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調理師免許がなくても応募できる飲食業界の求人例

ここでは、調理師免許がなくても応募できる新卒向けの求人情報を紹介します。
新卒向けの求人情報は調理師免許がなくても応募できるものが多くあります。実際の求人例を参考にすると、調理師免許なしでどこまでの仕事ができるのかを理解しやすいでしょう。
また、企業によっては調理師免許等の取得を支援しているケースもあるため、求人情報を確認する際はあわせてチェックすることをおすすめします。。以下で、実際の求人例を3つ紹介するので、飲食業界への就職を目指している学生はぜひ参考にしてください。
求人例1.JR西日本ホテルズ(ホテル内レストラン)
JR西日本ホテルズは、近畿圏を中心に5ブランド・13ホテルを展開しているホテルグループです。JR西日本ホテルズは調理師免許保有者に手当を支給している一方で、免許がなくても求人に応募できます。
| 応募資格 | 大卒、短大卒、専門卒、高卒、留学生 |
| 雇用形態 | 正社員 |
| 展開事業 | ホテル、和食、洋食、製菓、製パン |
| 募集職種 | 調理スタッフパティシエブーランジェ |
| 主な仕事内容 | <調理職>洋食調理和食調理製菓・製パン<宴会スタッフ>宴席の会場設営司会進行<総合職>ホテルマネジメント |
JR西日本ホテルズの新卒向け求人情報の詳細は、以下をご覧ください。
求人例2.株式会社音羽(寿司・和食店)
株式会社音羽は、寿司・和食に特化した幅広い業態を近畿圏で展開しています。和食レストランや高級すし、割烹、回転寿司、ケータリングなど、多業態出店を特徴としており、勤務地は店舗によって異なります。
株式会社音羽の求人は、調理師免許がなくても応募可能です。また、調理師免許を取得するための支援制度が整備されています。
| 応募資格 | 大卒、短大卒、専門卒、高卒、留学生 |
| 雇用形態 | 正社員 |
| 展開事業 | 寿司、和食 |
| 募集職種 | 調理職店長候補職接客リーダー職商品開発・マーケティング職 |
| 主な仕事内容 | <調理職>すし調理和食調理<店長候補職>接客店舗管理企画営業販促<接客リーダー職>接客接客指導<商品開発・マーケティング職>新商品の企画・開発広告宣伝・販売促進顧客管理戦略立案 |
株式会社音羽の新卒向け求人情報を詳しく知りたい方は、以下をチェックしてみてください。
求人例3.株式会社ダンダダン(居酒屋・餃子専門店)
株式会社ダンダダンは、首都圏で居酒屋・餃子専門店を130店舗以上展開しています。
株式会社ダンダダンの調理・サービス職も、調理師免許なしで応募可能です。また、就職後に調理師免許を取得する場合は、取得にかかる費用を全額負担してもらえます。
| 応募資格 | 大卒、短大卒、専門卒、高卒、留学生 |
| 雇用形態 | 正社員 |
| 展開事業 | 居酒屋・餃子専門店・ネオ大衆酒場 |
| 募集職種 | 店舗総合プロデュース職(調理・ホール) |
| 主な仕事内容 | 調理補助接客 |
株式会社ダンダダンの新卒向け求人情報の詳細は、以下をご確認ください。
調理師免許の必要性を判断するポイント

調理師免許を取得すべきかどうか迷ったときは、やりたい仕事やキャリア目標などから必要性を判断することが大切です。
以下で、調理師免許の必要性を判断するポイントを2つ解説します。
就職後のキャリア目標が明確になっているか
調理師免許を取得するかどうかは、自身のキャリア目標が明確かどうかで判断するのがポイントです。飲食業界とひと言でいっても、調理・製菓・サービス・マネジメントなど職種は多岐にわたります。
実際に、すべての仕事で必ずしも調理師免許が必要ではありません。調理師免許なしでどこまでの仕事ができるのかを理解しておけば、キャリア目標に沿って必要性を判断しやすくなるでしょう。
たとえば、将来店舗経営や企画職に携わりたいと考えているのであれば、焦って調理師免許を取得する必要はないでしょう。まずは将来像を描き、その目標のために調理師免許が必要かどうかを見極めるようにしてください。
調理師免許がないとできないことを仕事にしたいのか
就職後のキャリアを考えたときに、将来的に調理師免許がないとできない仕事をしたいのであれば、早めの免許取得がおすすめです。勤務先や職種によっては法律上、または採用条件として調理師免許が必須とされているからです。
たとえば、病院や学校などの調理施設では、採用要件に「調理師免許保有」と明記されているケースもあります。希望する仕事に調理師免許が必要かどうか調べて、自分のキャリア選択に合わせて取得計画を立てましょう。
まとめ

飲食業界で働くうえで、調理師免許がないと「調理師」と名乗れません。しかし、飲食業界には、調理師免許がなくてもできる仕事があります。そのため、就職先や職種、将来のキャリア選択によっては焦って調理師免許を取得する必要はないでしょう。
調理師免許を取得するためには、専門学校などに通うか、実務経験を積んで試験に合格する必要があります。就職先によっては免許の取得を支援してもらえるケースもあり、就職後に取得を目指すのも方法の一つです。
調理師免許なしでどこまでの仕事ができるのかを理解し、、まずは免許がなくても就ける職種からキャリアを積むことも検討してみましょう。
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