飲食就活生のエフラボトピックス

エフラボ
あのひとが、素敵な理由。naoさん JULIA/エグゼクティブシェフ
独立から7年—毎日、楽しいことしかありません。
nao
JULIA/エグゼクティブシェフ ▶1982年、福岡県生まれ。2012年、つくばに「本橋ワイン食堂」をオープン。2017年、恵比寿に移転し、現店名に変更。2019年、外苑前に移転オープン。

夫婦でお店を営む

今でこそ、凄腕の女性シェフとして脚光を浴びるnaоさんだが、もともとは飲食店運営企業のバックオフィス出身。「もっと輝ける舞台」を求めて、沖縄のリゾートホテルに転職。現在のパートナーでもあるサービスマン、本橋 健一郎氏との出会いが料理人を志すきっかけとなった。

「他のサービスマンとは全然違う。人間味があって、温かいサービスに惚れ込みました」

2人で、つくば市にレストランをオープンすることを決意。必然的に、naоさんはキッチンを担当することに。調理学校に通ったこともなければ、有名店での修業経験もない。ほぼ独学で、料理の道を極めていった。

「最初の1年くらいは、泣きながらフライパンを振っていました。自分のイメージする味を再現できないのがつらくて、投げ出したくなるときもありました。それでも、ついてきてくださるお客様がいたので、がんばってこれたんです」

もう1つ、立ちはだかる壁があった。周囲の女性シェフに対する偏見だ。

「『えーっ、あの人が料理するの?』と言われたこともあります。すごく悔しかったけれど、結果を残すしかないと思いました」

5年後、「東京で勝負しよう」と恵比寿に「JULIA」をオープン。多くのお客様の支持を集め、確かな地歩を固めていく。

「2人のつくりだす空気感がいいとか、『また来たくなるんだよ』と、リピーターになってくださる方が多いんです。若い人では、なぜか同業者率がとても多い。目標とされる存在になれたなら、うれしいですね」

今年6月には、外苑前に移転オープン。さらにパワーアップした新生「JULIA」で、naоさんは充実の日々を送っている。

「独立から7年、お客様と一緒に月日を重ねてきた気がします。毎日、楽しいことしかありません。もちろん、大変なこともいっぱいあるけれど、自分の好きなことを仕事にできるのって幸せだなと実感しています」

naoさんが素敵でいられる3つのポイント

【1】大切にしていること
料理人になって、母の手料理のすばらしさを再認識しました。お母さんの料理が美味しいのは、そこに愛情がたっぷりこもっているから。お客様の顔を思い浮かべながら一皿一皿に愛をこめることを心がけています。

【2】彼女のあこがれ
日本では少ない女性シェフですが、世界に目を向ければ、大勢活躍しています。私の憧れの存在はアメリカのトップシェフ、スザンヌ・ゴイン。実は、彼女のファッションや髪型をこっそり真似ているんですよ(笑)。

【3】今後の夢
今の目標は、ミシュランの星を獲ること。洋食では、まだ女性の星獲得はありません。女性シェフに対する偏見や差別をなくすために、そして後に続く女性たちのためにも、何かタイトルを獲りたいと思っています。

JULIA
東京都渋谷区神宮前3-1-25 1F
昨年6月に移転オープンした今、話題のイノベーティブモダンアメリカンレストラン。その時季に一番美味しい素材を用いて、独創的な一皿に仕立てあげる。メニューはワインペアリングにこだわったコース料理のみ。カウンター10席の小さなレストランなので予約必至。

2020年2月掲載

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