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飲食業界 レア職種図鑑

飲食の仕事は、ホール・キッチンだけじゃない!まだまだ知られていない、飲食業界の「レア職種」をご紹介します。現場で活躍する先輩たちに、お仕事の面白さや、どうしたらなれるのか?を教えてもらいました◎



  • ■フードキュレーター

    感性をフルに働かせて飲食店をプロデュース!
    「食事」に新しい価値を創りだしていく


    ▶どんな仕事?
    「ミュージアムキュレーター」は美術館などで特別展の企画から運営までをおこなう専門職。「フードキュレーター」は、シェフに代わって最適な食材を探し、産地の人とつなぐ役割を果たすなど、食の分野で同じようにプロデューサー的な役割を担います。とはいえまだ数は少ないため、仕事としての定義は未知数。大橋氏の場合は「食材・サービス・料理はもちろん、極端なことを言うとトイレの型番まで食事をする空間にある全てのものに興味を持ったり、依頼された仕事に対して合うものを選んだりしていく」など、それぞれの個性によって仕事の内容も異なってきます。

    ▶仕事のむずかしさ、やりがいは?
    一つの飲食店では、料理をする人・接客をする人と部門ごとに別れています。さらにベースとして食材を作る人、調味料を作る人、お茶やお酒を作る人など多くの人が携わっています。フードキュレーターはその全てをつなぐ役割。お客様に歴史・文化・人・土地の魅力を伝え、「食事をすること」に価値をつくることを目指します。大橋さん曰く「自分のチームを持たず、プロジェクトやお店ごとに働く人が違うので、各職場ではいつも刺激的です。全ての職場で求められることが違うため、自分にも多様性があることが必要です。そのために勉強することもとても楽しいですね」

    ▶この仕事に就くためには? 適性は?
    定まった方法はありませんが、まずは飲食店で働き、技術や知識、人脈を広げることは必須といえるでしょう。「とにかく食べ歩きはするようにしています。料理人さんと同レベルの知識がないと、失礼だと思っていますから。フロアで働いている時から、レストランにある全ての物に知識と理由を持てる人に、という目線を持っていました」と大橋さん。目的をもって「モノを見る眼」を広く養っていくことが重要です。

    フードキュレーター

  • 教えてくれたのは
    ▶大橋 直誉さん(フードキュレーター)
    調理師学校卒業後、「レストランひらまつ」に料理人として入社。サービスに転向。資格をとり、フランス2ツ星レストランのソムリエに。帰国後、3ツ星レストラン「Quintessense」で働いた後、開業した「TIRPSE」は世界最速でミシュラン1ツ星を獲得。現在は国内外で様々な業態のレストラン・ホテルの立ち上げに携わっている。ちなみに取材時は中東に滞在中でした!



    大橋さん




  • ■ビアテイスター

    必要なのは「ビールへの愛」
    奥深い世界をお客様に伝える


    ▶どんな仕事?
    最近のクラフトビール人気で、新しいビールと出会う機会が増えてきました。「ビアテイスター」は、テイスティングによってビールの出来の良し悪しを客観的に鑑定し、その理由を理論的に説明できる資格。お客様の好みをヒアリングし、知識を活かしてビールを選び、その魅力をわかりやすく伝える業務です。

    ▶仕事のむずかしさ、やりがいは?
    世界には100種類以上の「ビアスタイル(ビールの種類)」があり、提供するグラスの形も異なったりと奥深い世界を知ることができるのが魅力です。知識を活かしてお勧めしたビールでお客様に喜ばれることはやりがいにつながります。

    ▶この仕事に就くためには? 適性は?
    ビールの種類が豊富な飲食店で、ホールサービス職と兼任で勤務します。入社後に資格取得をサポートしてくれる会社も。お酒(特にビール)への興味があること、「接客が好き」であることが重要です。

    ビアテイスター

  • 教えてくれたのは
    ▶小沼 貴洋さん
    クラフトビールタップ グリル&キッチン渋谷
    ビアテイスター


    小沼さん




  • ■レセプショニスト

    語学力も活かせます!
    お客様が最初に出会う「お店の顔」


    ▶どんな仕事?
    来店されたお客様の受付対応・電話応対・予約管理・お会計・お見送りなどのお客様対応が基本的な業務です。また、予約時のヒアリングがサービスのカギを握ります。好みや記念日などの情報や予約内容をスタッフに伝達し、各ポジションの仕事がスムーズに進むようサポートする役割も担っています。

    ▶仕事のむずかしさ、やりがいは?
    立ち居振る舞いや言葉づかいがお客様の満足度を左右するため、重要である分やりがいも感じられるポジション。「美味しかった」など、お客様の声を直接聞く機会が多いのも励みになります。また、人員管理など総合的な経験を積んでいくことで、フロアマネージャーや店長へのキャリアアップも可能です。

    ▶この仕事に就くためには? 適性は?
    ホールスタッフ職と兼任の店もありますが、フレンチレストランや日本料理店など高単価の飲食店では専任として勤務します。自身のパーソナリティや語学力・バイトでの接客経験も活かせます。

    レセプショニスト

  • 教えてくれたのは
    ▶宮川 ほずみさん
    おたる政寿司 銀座
    レセプショニスト


    宮川さん




  • ■ヴァンドゥーズ

    接客で感動を与える、
    菓子販売のプロフェッショナル


    ▶どんな仕事?
    ヴァンドゥーズというのはフランス語で「(女性の)販売員」の意味。接客・電話応対・包装などの基本の業務にとどまらず、ホスピタリティの精神でお客様におもてなしをするのが重要な役割です。接客の際にお客様が喜ばれる・求めていることを察知し、楽しい時間・空間を共有することで、お客様に大きな感動を与えます。

    ▶仕事のむずかしさ、やりがいは?
    お客様全員に感動を与えるのはとても難しいことであり、お客様の期待を読み取るために観察力と経験が必要です。具体的には言葉づかい・礼儀・挨拶・知識・技術を、日々お客様と触れ合う現場で実践しながら習得していきます。高いレベルのサービス・技術を磨くうちに、自分自身も洗練され、豊かになれる職種です。

    ▶この仕事に就くためには? 適性は?
    洋菓子店などで販売職として勤務します。認定資格を受けるには、商業ラッピング検定の取得や勤務経験など、必要条件があります。人と話すことが好きで、コミュニケーションがとれることは大切です。

    ヴァンドゥーズ

  • 教えてくれたのは
    ▶岩田 知子さん
    パティシエ イナムラショウゾウ
    シェフ・ヴァンドゥーズ
    全日本ヴァンドゥーズ協会 副会長


    岩田 知子さん




  • ■唎酒師(ききさけし)

    感性を活かし、日本酒を通じて
    日本の伝統や文化を発信する


    ▶どんな仕事?
    海外でも評価が高まり、国内でも専門店が増えるなど、近年「日本酒ブーム」といわれています。日本酒について、情報・料理との相性から作り手の思いまでをお客様にお伝えし、お客様の好みを正しく把握して、適切なお酒を提供。同時にお客様に日本の文化を伝えて広める「使命」もあり、ワインのソムリエと同じ役割を果たします。

    ▶仕事のむずかしさ、やりがいは?
    製法に関する知識、香りと味わいを正確に把握出来るテイスティング能力、料理との組み合わせの知識、それらをお客様に適切に伝える力が求められます。これが難しさであり、やりがいでもあります。 ソムリエほど長い歴史がなく、伝え方に関して正解はまだありません。経験と感覚を駆使し、可能性を自由に探れることも魅力です。

    ▶この仕事に就くためには? 適性は?
    日本酒を多く扱う飲食店だけでなく、旅館・ホテルなどで、ホールサービス職と兼任で勤務します。入社後に資格取得をサポートしてくれる会社も。奥深い日本の文化を発信していきたい方に!

    唎酒師

  • 教えてくれたのは
    ▶沼田 維さん
    株式会社 セオリー
    方舟大吟醸いろり店
    SSI認定唎酒師


    沼田さん

2020年2月掲載